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<タリウム事件>精神障害の影響 争点

起訴内容について認否を答える名古屋大の元女子学生(イラスト 田村角)

 人を殺してみたかった−。殺人事件発覚から2年、特異な供述を繰り返してきた名古屋大の元女子学生(21)が初めて公の場に姿を現した。前髪は目元まで伸び、顔の大部分はマスクで覆われて表情は読み取れない。ただ、法廷での口調はしっかりとしていた。殺人願望を次々に実行に移していった元名大生。心の闇に迫る注目の裁判が始まった。
 検察側は16日の初公判で「仙台でも人を殺したいと思っていた」と述べ、元名大生のとどまることを知らない殺意を明らかにした。
 名古屋市の自宅アパートで2014年12月7日、無職森外茂子(ともこ)さん=当時(77)=を殺害後、手おのやナイフを仙台市の実家に持ち帰ったのは、新たな殺人に手を染めるためだったと示唆した。
 検察側は元名大生が森さんの遺体を携帯電話で撮影し「人体にどう刺さるのかを知るため、首と脚にナイフを刺した」と指摘。遺体を解剖するため、ホームセンターでのこぎりを購入していた証拠も提出した。
 逮捕直前、友人に送ったメールの内容は「人殺しちゃった。撲殺です」。検察側は、犯行前後の冷静な行動などから精神障害の影響を否定し「善悪を判断できた」と主張する方針だ。
 元名大生が高校2年の時、中学の同級生の女性(21)に盛った硫酸タリウムは0.5グラム程度。高校のクラスメートの男性(20)に盛った量は1.2グラム(2回の総量)で致死量(1グラム)を上回っていたという。
 元名大生が森さん殺害当日、ツイッターに「少年法は偉い。少年法マンセー(万歳)」とつぶやいた事実も紹介。死刑が適用される可能性が高い成人になる前に、殺人を犯した可能性をほのめかした。
 弁護側は「非常に重篤な精神障害が影響している」と強調。元名大生の特徴として(1)他人の心情に共感できない(2)興味の対象が極めて狭い(3)頭に浮かんだことを衝動的に行動に移す−の3点を挙げ、「ブレーキの利かない車」に例えた。
 殺害の対象について、「特定の人物である必要はなく、実験動物と同様、生物としての『ヒト』であればよかった」と指摘。タリウム混入に関しては「中毒症状を観察したいとの興味を抑えられず、死亡する危険性を考えないままタリウムを飲ませた」と説明した。


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2017年01月17日火曜日


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