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<タリウム事件>責任能力 検察と対立

名古屋大の元女子学生の初公判で、傍聴券抽選のため名古屋地裁前に並ぶ人たち=16日午前

 名古屋市で知人の高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた名古屋大の元女子学生(21)=仙台市出身、事件当時未成年=の裁判員裁判の初公判が16日、名古屋地裁で開かれた。弁護側は元名大生の責任能力を否定し、無罪を主張した。
 元名大生はタリウム事件について「(2人が)死亡しても構わないと考えたことはない」と殺意を否認。その他の起訴内容は大筋で認めた。弁護側は「精神障害が大きく影響している。各犯行時は善悪を判断する能力がなく、刑事責任は問えない」と主張した。
 検察側は「精神障害の影響は限定的で責任能力は全く問題ない。中学3年の時から猟奇的な殺人事件に関心を抱いていった」と指摘。タリウムを飲ませたのは「中毒症状の観察が目的。相手が死んでも、実験結果として受け入れる考えだった」と殺意を強調した。
 審理は計20日間行われる。証人尋問や被告人質問、被害者の意見陳述を経て3月10日に論告求刑と最終弁論がある。判決は同月24日に言い渡される見通し。
 起訴状によると、仙台市内の私立高に通っていた2012年5〜7月、中学と高校の同級生男女2人に硫酸タリウムを飲ませ、殺害しようとしたとされる。14年12月には名古屋市昭和区の自宅アパートで、宗教に勧誘され知り合った森外茂子(ともこ)さん=当時(77)=を殺害し、6日後、帰省先の仙台市青葉区で女性方に放火して住人3人を殺害しようとしたとされる。

[名古屋大の元女子学生事件]名古屋市のアパートで2015年1月、77歳の女性の遺体が見つかり、愛知県警が殺人容疑で当時19歳だった名古屋大の女子学生(退学)を逮捕した。その後、愛知、宮城両県警が仙台市内で高校時代に同級生ら2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませた殺人未遂容疑と、仙台市内の住宅に火を付け住人を殺害しようとした殺人未遂と現住建造物等放火未遂容疑で再逮捕した。捜査段階で「人を殺してみたかった」と供述していた。名古屋家裁は精神面での一定の障害を認めたものの、事件への影響は限定的と判断して検察官送致(逆送)し、地検が起訴した。


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2017年01月17日火曜日


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