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<宮城インバウンド>おもてなしの心 伝える

宮城県松島町の観光名所、観瀾(らん)亭で職員と話す国際交流員のスミスさん(左)=2016年12月中旬

 増え続ける訪日外国人旅行者(インバウンド)。地域の元気につなげたいと、宮城県内でも各地で誘致に知恵を絞る。「ぜひ、おらほに」。まちが、ひとが、宝物が、旅行者を待っている。

◎外の視点で 松島町国際交流員ロジャー・スミスさん

<英語で文章練る>
 宮城県松島町の名刹(めいさつ)、瑞巌寺が2018年6月、「平成の大修理」を終え、落慶法要を営む。外国人旅行客の受け入れ拡大に向け、英語版のパンフレットを16年9月、リニューアルした。
 文章を練ったのは、町国際交流員の米国人ロジャー・スミスさん(37)だ。
 歴史の紹介では、時代の名称を省き、西暦を書き込んだ。日本史を勉強した人しか理解できない翻訳は、外国人の一般客に読まれないと確信していた。
 「日本三景の島々だけを見て帰ってしまう外国人は少なくない。歴史、文化をもっと知ってほしい」。次なる仕事は、英語版ホームページの作成だ。
 米国の環境保護に取り組む市民団体に勤め、東日本大震災が来日の契機になった。留学経験のある日本で何かできることはないかと国際交流員を志し、14年8月に松島町産業観光課に配属された。

<館内の案内改善>
 仕事は、英語の観光コンサルティング。ホテルや旅館、商店などを対象に、英語の館内表示や接客会話などを助言する。これまで約30件を手掛けた。
 町内にある「松島プチホテルびすとろアバロン」では、フロントの案内を見直した。「ツイン」「ダブル」という部屋の説明は分かりづらいと指摘。「シングルサイズのベッドが2台ある」「クイーンサイズのベッドが1台ある」と具体的な内容に改めた。
 風呂を案内する際は「先に体を洗って入ってください」と日本の習慣を伝えることにした。支配人の新田一修さん(53)は「外国人の受け入れを増やすためには、やらなければならない部分があると痛感した」と語る。

<広域観光考える>
 町によると、町内の観光案内所を訪れた外国人旅行客は16年4〜11月で約9000人。震災前、10年度の年間約1万1000人に戻りつつある。スミスさんは「日本流の『おもてなしの心』を外国人に伝え、リピーターを増やし、観光復興につなげたい」と言葉に力を込める。
 活躍の場は町外にも広がる。先月、塩釜市が設けたインバウンド推進懇談会で意見を述べた。「塩釜のすし、東松島の体験ツアーなど観光の魅力を広域で考えてほしい」。視線は松島湾全体を向く。(塩釜支局・山野公寛)


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2017年01月01日日曜日


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