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<被災地職員不足>他の被災地にもSOS

 人手不足に悩む東日本大震災の被災自治体が、全国の別の被災地にまで職員派遣を要請せざるを得ない苦境に直面している。宮城県内は技術職など200人以上が確保できずにいる。西日本では熊本、鳥取地震の影響で派遣継続に難色を示す自治体が相次いでおり、新年度以降の大幅減少に懸念が広がる。
 全国各地から宮城への過去3年間の応援職員の推移はグラフの通り。昨年4月1日現在、沿岸市町に608人、県に221人が派遣され、全体で2015年同期比で24人、14年同期比で49人減少した。
 地域別で最も減少率が高かったのが中国・四国の22.7%(22人減)。昨年4月に熊本地震、10月に鳥取地震が発生し、熊本は13人中7人、鳥取は14人中2人が派遣元に戻った。
 県は自治体訪問や全国知事会を通して新年度以降の派遣継続を働き掛けているが「熊本へ優先的に職員を回したいとの理由が多く、西日本の応援は相当減るのではないか」(県市町村課)との不安は拭えない。
 県内の自治体は職員確保に四苦八苦している。昨年12月1日現在、沿岸市町は151人、県は111人が不足。職種別では土木職が145人で最も多く、復興事業の発注業務などに支障が出ている。
 気仙沼市は「技術職が足りない。被災の度合いは重く、しばらくは他の自治体に頼らざるを得ない」と強調、山元町は「県外から同規模の派遣継続は難しいとの返答を受けている。任期付き職員の採用などで必要数に近づけたい」と苦しい胸の内を明かす。
 防潮堤建設や橋の修復工事などは17〜18年度にピークを迎える見込み。あと数年はこれまでと同規模のマンパワーが必要とされる。村井嘉浩知事は18年度末までの派遣継続を訴えているが、見通しは厳しい。
 震災から5年10カ月がたち「自立」を促す声も強まる。阪神大震災を経験した兵庫県は100人規模の派遣態勢を縮小する方針だ。
 派遣職員との意見交換会で10日に仙台市を訪れた同県の金沢和夫副知事は「他に頼り切りでは被災地が自らの足で立てなくなる。おんぶに抱っこから、自分たちの手による再建へとソフトランディングする時期ではないか」と指摘した。


2017年01月18日水曜日


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