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秋田県南の日常伝え20年 ネット新聞が休刊

新聞休止後も、読者から届く感謝のメールなどに返信するためパソコンに向かう伊藤さん

 秋田県大仙市の地域情報を発信してきたインターネット新聞「秋田県南日々(にちにち)新聞」が、昨年末で記事の掲載を休止した。同市の伊藤正雄さん(69)が1996年から1人で執筆してきたが、20年の節目を機に休刊を決めた。20年間の総アクセス数は海外を含めて約3300万件に上る。伊藤さんは「国内外から多くの反響があったことが何よりもうれしい」と振り返る。
 同紙は、同市の地元紙「秋田民報」の記者だった伊藤さんが在職中の96年12月1日に創刊。2008年3月末の定年退職後は日々新聞の活動に専念してきた。
 記事はほぼ毎日執筆し、四季の風景写真や地元の細かな情報を届けた。「紙の新聞では掲載基準に達しないような話題を載せた。それが大仙市の出身者には身近に感じられ、郷愁を誘ったようだ」と伊藤さん。
 読者は国内の同市出身者だけにとどまらず、米国やブラジル、フランス、インドなど世界中からもアクセスがあった。伊藤さんは「海外の読者が自宅を訪ねてきて交流を深めたこともあった」と笑顔を見せる。03、05年には、米在住読者の招きで経理面を担った妻和子さん(69)と共にサンフランシスコやニューヨークなどを取材したこともある。
 昨年12月1日に休刊を発表すると、読者から惜しむ声が相次いだ。伊藤さんは「耳が遠くなり、聞き間違って事実と異なる情報を書く前に引退を決意した」と休刊の理由を話す。
 読者からは、より簡単に情報発信できるブログ形式での新聞発行の提案もある。「今は体を休めたい気持ちが強い」と伊藤さん。「情報発信したいという気持ちが湧いたら、ブログや会員制交流サイト(SNS)などを利用するかもしれない」と復刊の可能性を示唆する。


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2017年01月19日木曜日


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