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<恩田さん直木賞>自分も成長した作品

第156回芥川賞に決まった山下さん(右)と直木賞の恩田さん=19日夜、東京都内のホテル

 第156回芥川、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は山下澄人さん(50)の「しんせかい」(新潮7月号)に、直木賞は恩田陸さん(52)の「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎)に決まった。
 直木賞に決まった恩田陸さん(52)は19日、東京都内で開かれた記者会見で「長い時間をかけて書き、自分も成長した作品で受賞できた。本当に良かった」と笑顔を見せた。
 会見に先立つ写真撮影は、芥川賞の山下澄人さんと共に緊張した表情で臨んだ恩田さん。ノミネート6回目での受賞に「候補になるたび、まだ最前線にいると実感できた。でも自分には縁のない賞だと思っていたので、うろたえている」と率直に語った。
 国際ピアノコンクールを舞台にした受賞作には、宮沢賢治(花巻市出身)の詩集「春と修羅」をモチーフにした架空の曲が登場する。曲の解釈を通し、出場者それぞれの人物像や自然観が描かれる。
 恩田さんは「この曲が聞こえるような気がする」という読者の感想を紹介し、「賢治は音楽的な人。『春と修羅』の世界を読者の頭の中に鳴らせたことが、とてもうれしい」と思いを話した。音楽を言葉で表現する難しさを指摘し、「書くうちに音楽と小説は相性がいいなと思った」と振り返った。
 受賞発表は、出版各社の担当編集者と新年会を兼ねて居酒屋で待ったという。「途中からみんなが緊張してつらかった。この後、ゆっくり飲みたい」と笑いを誘った。

●恩田 陸さん(おんだ・りく)1964年青森市生まれ、仙台市出身。92年「六番目の小夜子」でデビュー。「夜のピクニック」で2005年に吉川英治文学新人賞と本屋大賞。07年「中庭の出来事」で山本周五郎賞。過去5回直木賞候補になった。東京都在住。
 受賞作「蜜蜂と遠雷」は、国際ピアノコンクールを通して、若きピアニストたちが苦悩や夢、欲望に直面し、ライバルと刺激を与え合いながら、自らの音楽を求めていく姿を描いた。審査員らも彼らに衝撃を受け、嫉妬を抱き、自身を見つめ直す。


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2017年01月20日金曜日


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