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<タリウム事件>高校時代 焼死体に興味

 名古屋市で知人の高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた元名古屋大女子学生(21)=仙台市出身、事件当時未成年=の裁判員裁判の第3回公判が20日、名古屋地裁で開かれた。2014年に仙台市の住宅に2度放火しようとしたとされる事件が審理され、検察側は「高校生だった13年ごろ、法医学の文献を読んで焼死体に興味を持った」と指摘した。
 起訴状によると、14年8月30日未明、仙台市青葉区の60代女性方の縁側に、ペットボトルに灯油を入れた自作の火炎瓶を置いて火を付けたとされる。
 同年12月13日未明にも引火性が極めて高い液状の薬品「ジエチルエーテル」を使って女性方の玄関付近に放火、住人3人の殺害を図ったとされる。いずれも住人が気付き、自力で消した。2度目の事件は名古屋市の女性を殺害したとされる日の6日後だった。
 検察側は元名大生が妹の同級生の家と誤解し、同姓の女性方を狙ったと指摘。妹の同級生と面識はなかったが、「葬儀に出席する妹を通じて焼死体の様子を知ることができると考えた」と動機を述べた。
 元名大生は同年9月1日に現場を訪れ、目的を遂げられなかったことを知り、「もう一度火を付けたい」と妹に打ち明けていたという。
 検察側は、元名大生が化学薬品を事前に購入し、就寝時間帯に犯行に及んだなどとして計画性を強調。「善悪の判断や行動の抑制はできていた」と述べた。
 弁護側は事実関係は認めつつ、「元名大生は焼死体を生物としてのヒトですらなく、単なる物体と捉えていた。誰の焼死体でもいいから観察したかった。動機は常人の思考からは理解できない」と指摘。重い精神障害の影響を主張し、「責任能力はなかった」と反論した。
 検察側は半年の間に2度も放火され、恐怖と不安にさいなまれたとする被害女性の供述調書を紹介。「気付くのが遅れていたら家族3人は命を落としていた。勘違いで放火されたらたまらない」と厳罰を望んでいることを明らかにした。


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2017年01月21日土曜日


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