青森のニュース

<高校サッカー>青森山田は高校世代の完成形

決勝でシュートを決める鳴海。得点王に輝いた=9日、埼玉スタジアム

 サッカーの第95回全国高校選手権(昨年12月30〜1月9日、埼玉スタジアムほか)で、20年連続22度目出場の青森山田が初優勝を飾った。昨年12月の高円宮杯U−18チャンピオンシップに続く高校世代の2冠を史上初めて達成。東北のサッカー関係者は、決勝で前橋育英(群馬)を5−0で退けるなど全5戦で20得点2失点と他を圧倒した攻守の総合力を高く評価する。

◎戦いから課題得て学ぶ

 青森山田は今大会、得点の早さが光った。初戦からの全5戦、前半に先取点を奪っている。最も早かったのは2回戦の鵬翔(宮崎)戦で7分、最も遅かった3回戦の聖和学園(宮城)戦にしても32分。一度も相手にリードを許さなかった。
 早い時間帯に得点できたのは驚異的な決定力による。4強進出校の全試合の得点をシュート数で割った決定率=表(上)=は、5割7分1厘と群を抜く。FW鳴海彰人はスピードを生かして6ゴールで得点王に輝き、MF高橋壱晟(いっせい)は中盤からの攻撃参加で全試合ゴールの計5得点。GK広末陸の前線への正確なロングキックも効果的だった。
 J1仙台の元監督で東北サッカー協会技術委員会の鈴木武一委員長は「選手たちは試合の進め方を良く知っていた。守備でしのぎ、個々の持ち味を生かして好機を確実にものにする集中力が高かった」と話す。
 東北地区の高校世代を担当する同協会第2種委員会の菅沼孝一委員長も「常に次のプレーを考えたポジション取りやパスワークなどが細かく徹底され、着実にゴールにつなげることができていた」と分析する。
 各選手の身体能力も高かった。鳴海は175センチ、高橋は179センチで、共に75キロのがっちりとした体格。対戦した5校と先発11人の平均身長、体重=表(下)=を比較すると、全て相手を上回る。黒田剛監督が「筋力トレーニングがチームのブーム」と言うように、競って鍛え、全員が当たり負けしない体をつくった。
 臨機応変に戦術を組む緻密さも兼ね備えていた。攻撃的な前橋育英や聖和学園に対しては守備を固め、引いて守ってきた準々決勝の正智深谷(埼玉)、準決勝の東海大仰星(大阪)に対してはボールを保持。サイドチェンジやパスワークなどを駆使した多彩な攻めで相手の組織を崩した。
 高体連の大会に加え、高校世代で最高峰の高円宮杯U−18プレミアリーグの東地区に参戦した経験も大きかった。個人技が優れたJユースチームと対戦を重ね、「高体連、プレミアのどちらにも対応できる」(黒田監督)柔軟性を養った。
 菅沼委員長は「全員攻撃、全員守備というベースを守りつつ、相手の良さを消して自分たちのペースに持ち込んでいた。これまでの戦いから課題を得て学び、強くなった」と指摘。「近年の高校世代では完成形に近いチーム」と絶賛する。
 青森山田の躍進から東北の高校生は何を学ぶべきか。鈴木委員長は「『目指せ青森山田』が協会のビジョン。全国一を目指す意識の高さや、チームプレーの中で個々の持ち味を発揮する姿勢は参考になるはずだ」と、競技力の底上げにつながることを期待した。(原口靖志)


2017年01月21日土曜日


先頭に戻る