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ワイン特区に岩手・花巻 一大産地に意欲

真新しい店で「花巻のシードルを飲んでほしい」と話す平賀さん

 内閣府が地域限定で規制を緩和する構造改革特区に、花巻市の「花巻クラフトワイン・シードル特区」が岩手県で初めて認定された。果実酒の製造免許取得に必要な最低製造数量が緩和され、小規模な農業者がワインやシードルの生産に取り組みやすくなる。市は果実酒造りに意欲がある農家を後押しし、ワインの里を発信する。
 果実酒の製造免許は税務署に取得を申請。通常は生産技術や設備のほか、製造見込み数量が酒税法で定める最低製造数量(年間6キロリットル)に達しているかどうかの審査を受ける。
 特区ではこの規制が大幅に緩和される。市は昨年11月に特区認定を受けた。市内で飲食店や民宿を経営する農業者が自家栽培した果物でワインやシードルを製造し、店舗内で食事と一緒に提供する場合、何リットルからでも製造免許が取得できる。
 瓶詰で販売する場合は、最低製造数量が果実酒は2キロリットル、リキュールは1キロリットルに引き下げられる。市内で作られたブドウ、リンゴ、西洋梨、ブルーベリー、梅の5品種で製造できる。
 市は県工業技術センターと連携し、免許取得を目指す事業者に栽培講習への参加や補助制度の活用を呼び掛ける。担当者は「果実酒を造りたいという農家が10軒ほどある」と話す。
 昨年秋、同市上根子に自家栽培野菜の料理を提供するカフェ「ファームプラス」を開いた平賀恒樹さん(39)は「酒造りは念願。最低製造数量のクリアは難しかったので歓迎する」と話す。現在は10アールの畑で栽培するリンゴでジュースを作る。「今年はシードルに挑戦したい」と意気込む。
 県工業技術センターによると、県内でワインやシードルの製造免許を持つ事業所は花巻市を含めた7市町村の10社。特にブドウは冷涼な気候で育った酸味が特徴で、東北の新たなワイン産地として注目される。
 昨年6月に免許を取得し、同市大迫町でシードルとワインを造る「亀ケ森醸造所」の大和田博さん(55)は「近隣自治体も一緒に特区になれば、花巻を中心に一大ワイン産地になる可能性がある」と展望する。
 東北では八戸市、南陽市、福島県南会津町など9市町が同様の特区認定を受けている。


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2017年01月21日土曜日


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