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<だて正夢>米どころ復権の切り札になるか

宮城米の新ブランド名「だて正夢」を発表する村井知事(右)と朝海さん(中央)

 宮城県産米の新品種「東北210号」の名称が「だて正夢(まさゆめ)」に決まった。全国の産地が相次いで高価格帯の銘柄米を市場投入し、競争が激化する中、米どころ・宮城の再浮上に向けた切り札になれるのか。県の戦略性が成否の鍵を握る。(報道部・加藤健太郎)
 県古川農業試験場(大崎市)が人工交配を重ね、開発しただて正夢。味や粘りなど食味試験の総合評価は主力の「ひとめぼれ」をしのぐとされる。寒さへの耐性が極めて強く、倒れにくいのも特長だ。
 県産米の歩みは表の通り。ひとめぼれの奨励品種指定は1991年で、ササニシキは63年までさかのぼる。農業産出額の約4割をコメが占める主産地だが、市場の人気が高い低アミロース米は空白域だった。
 県が首都圏などの消費者を対象に昨年実施した市場調査では「昔ながらの米どころ」との回答が50%を超えた一方、コメのつやや甘み、粘りなど県産米の品質や特長への理解は弱い実態が浮き彫りになった。
 18年産からは国による生産数量目標の配分がなくなり、コメ生産を巡る環境は大きく変わる。国内のコメ需要が先細る中で、県はだて正夢の市場投入をきっかけに主産地としての存在感を示し、県産米全体の評価向上を狙う。
 県は「コメの消費量が年々減少する中、新しい需要の開拓が不可欠。市場ニーズに応え、しっかり作れば売れる品種の存在は、生産者の意欲を維持するためにも必要だ」(農産園芸環境課)と強調する。
 高価格帯米の競争は近年、激化している。先行するつや姫(山形県)、青天の霹靂(へきれき)(青森県)、ゆめぴりか(北海道)、新之助(新潟県)など、強力なライバルが立ちはだかる。
 岩手県も今秋、金色(こんじき)の風を市場に投入する予定。後発参入組のだて正夢がどれだけ存在感を発揮できるかは未知数だ。県内の農業関係者は「ブランド米の市場規模は決して大きくない。過度に期待せず、地道に知名度や販路を広げなければならない」と指摘する。
 デビューは18年の出来秋。当面は百貨店や米穀専門店などでの販売拡大がターゲットになる。ササニシキ、ひとめぼれが築いた米どころの復権には、関係者が連携した綿密な販売、生産戦略の構築が欠かせない。


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2017年01月24日火曜日


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