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被災地で農業留学 就農・移住の夢耕す

参加者の活動拠点となる古民家

 東日本大震災で被災した宮城県石巻市北上町で、農業を通して就労や移住を支援するプロジェクトが始動した。農業に関心のある若者らが古民家を改修したシェアハウスを拠点に野菜を作る。関係者は「地域資源を生かしてなりわいを継承し、多様な人々が共生できる場にしたい」と意気込む。
 引きこもりや不登校の若者らを対象に農作業で心のケアや就労を支援する一般社団法人「イシノマキ・ファーム」(石巻市)と、移住サポートなどを担う合同会社「巻組(まきぐみ)」(同)が連携して取り組む。
 主な現場は地元農家から借りた北上町の50アールの畑と同市東福田の30アールの畑。農薬や除草剤を使わずに大根、ニンジンといった約15種類の野菜を作り、販売する計画。ホップ栽培や外部委託によるビール醸造も予定しており、新たな雇用を生み出す。
 今年8月にも参加者の受け入れを始める。長期の参加者は半年から1年ほど滞在して農業技術を学び、就農につなげる。短期は地方暮らしを希望する人らが2日〜1週間程度、気軽に農業を体験する。
 古民家は木造平屋で築100年以上。高齢女性が1人で住んでいたが昨年空き家となった。今年4月から改修し、7月に完成する予定。計7部屋で最大12人を収容する。
 ともに2015年の国勢調査と農林業センサス調査によると、北上町の人口は約2430で、震災前より約1300減り、農家も約140戸と約180戸も減少。空き家は約30軒に上るという。
 イシノマキ・ファームの高橋由佳代表理事は「交流人口を増やしながら地元住民と信頼関係を築き、地域の農業の衰退を少しでも抑えたい」と語る。巻組の渡辺享子代表社員は「都市部でも農業をやりたい人は少なくないと思う。古民家を活用し、多様な人々が集う新たなコミュニティーをつくりたい」と言う。
 連絡先はイシノマキ・ファーム0225(25)4144。


2017年01月26日木曜日


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