広域のニュース

<東経連>新ビジョン 震災経て価値観転換

2030年のビジョン達成に向けて7県の一体感醸成に決意を示した海輪会長

 東北経済連合会が25日発表した長期ビジョンは、東日本大震災を経た東北における価値観の転換を印象づけた。経済成長、グローバル志向、インフラ重視から、持続可能性、付加価値向上、交流の促進へ。人口減少に歯止めがかからず「スタートを切るのは今しかない」(海輪誠会長)との危機感を背景に、新潟を含む東北7県の一体感醸成に決意を示す内容となった。
 2007年に策定した旧ビジョンは、東アジアとの経済交流を基軸とした経済成長を掲げた。30年までの数値目標には年平均の実質経済成長率2.2%、1人当たり所得水準2.2倍、上場企業300社−といった強気の数字が並んだ。
 海輪会長は「リーマン・ショック(08年)と震災で状況は変わった。海外に成長を求めるより足元の社会の在り方に方向性を見直した」。新ビジョンも数値目標を掲げたが、成長につながるプロセスを重視した。
 公共インフラ整備を追求するハード偏重から、ソフト重視にかじを切ったことも特徴だ。防災面やヒト・モノの交流拡大に必要な基盤の整備は求めながら、公共事業に頼らない自立的な経済循環を目指した。
 「旧ビジョンは実施主体が見えづらかった」(事務局)との反省から東経連の主体的役割を前面に出した。産学・企業間連携の枠組みづくり、地元企業の情報発信、訪日外国人旅行者(インバウンド)拡大による観光振興など、従来施策の一層の強化をうたった。
 課題は多い。海輪会長は「県の垣根は高く、バラバラ感が抜けない。まずはトップ級が集まることが重要」と、設立を目指す広域連携組織「わきたつ東北戦略会議(仮称)」の意義を強調する。歴史的に一体感が薄い新潟も含む産学官金が「東北は一つ」の認識に立つことがスタートライン。東経連、そして7県の真価が問われることになる。
(報道部・村上浩康)


関連ページ: 広域 経済

2017年01月26日木曜日


先頭に戻る