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家庭介護の男性に憩いを 「教室」で悩み共有

和気あいあいと鍋料理を作る参加者

 身内の介護に携わる男性らが集う「男の介護教室」が、宮城県内で交流の輪を広げている。医療・福祉などの専門家らでつくる団体が主催し、介護の対応について実践形式で学ぶ。参加者にとって、日頃の悩みなどを分かち合い、介護ストレスを解消する居場所となっている。
 石巻市北村の旭寿会一心苑デイサービスセンターで昨年12月、1年の活動を締めくくる教室があった。石巻、東松島、大崎各市から集まった50〜80代の男性約30人が、鍋料理などを食べながら懇談した。
 石巻市の男性(79)は「みんなとしゃべるだけで気がほぐれる。悩みを抱えているのは自分一人じゃないと感じられる」と穏やかな表情を見せた。
 男性は約9年間、認知症の70代の妻を介護する。東日本大震災の津波で同市内の自宅を失い、夫婦で災害公営住宅に入った。妻の徘徊(はいかい)などの症状が重くなった2015年から教室に通う。料理や肌着の着せ替え、ベッドからの起こし方などを習って介護に生かす。
 13年の厚生労働省の国民生活基礎調査によると、介護者と要介護者が同居するケースのうち、介護者の約3割が男性だ。年代別では60代が最多で70代、50代、80歳以上と続く。
 そうした状況を背景に任意団体「男の介護教室」は14年、石巻市で教室を始めた。介護する男性のストレスや孤独感を軽減するのが主な狙い。会場を大崎市にも広げてほぼ毎月開催。楽しかった体験なども積極的に語り合う。
 男の介護教室には内科医や保健師、管理栄養士など約200人が携わる。副代表で介護支援専門員の高橋恵美さん(54)は「一人でも多くの人の居場所になればいい」と願う。
 石巻市の泉順夫(よりお)さん(60)は40代で会社を退職し、アルバイトの傍ら認知症などを患った両親を介護してきた。教室に通い、父母が14年と15年に亡くなった後も、参加者の送迎などで教室を支える。「お世話になった教室の助けになりたい」と言う。
 教室代表で石巻市雄勝歯科診療所長の河瀬聡一朗さん(39)は「震災で医療・福祉施設が被災したり、仕事や生活基盤を失ったりして、在宅介護を余儀なくされる人もいる。問題を抱える男性介護者への理解が深まればいい」と望む。
 次回の教室は2月12日、一心苑デイサービスセンターで開く予定。連絡先は高橋さん080(9253)1612、教室事務局0225(73)2117。


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2017年01月27日金曜日


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