岩手のニュース

<浄法寺漆>岩手の伝統美 ボールペンに

漆塗りのペンを持つ菊池代表。「万年筆の製作も考えたが、日常で使うボールペンの方が漆のPRにつながると思った」と話す

 日本一の生産量を誇る岩手県二戸市浄法寺産の漆の魅力を発信しようと、盛岡市菜園のセレクト文具店「pen.」が浄法寺漆をあしらったボールペン「japen(ジャペン)」を開発した。ボディーに5層塗り重ねた浄法寺漆が、深い光沢と落ち着いた色合いを醸し出す。同店の菊池保宏代表(36)は「岩手の伝統の美を毎日手に取って感じてほしい」と語る。
 「ジャペン」はトンボ鉛筆(東京)のアルミ製ボールペン「ZOOM505」がベース。使い込むと漆がなじんで鮮やかさが増し、独特の艶が出る。浄法寺漆産業(盛岡市)が漆を調達。手作業で塗り上げた八幡平市の塗師坂根雄心さん(35)の技がさえる。
 ボディーは黒色と朱色に加え、表面が透ける褐色の「透け漆」を朱色の上に重ねた深紅の「溜(た)め色」の3種。ボールペンの芯は油性か水性を選ぶ。
 価格はともに税別で油性3万2000円、水性3万3000円。昨年10月に発売し、初回生産の120本は2カ月で完売した。
 林野庁によると、2015年の漆の国内生産量は1182キロ。うち二戸市産は820キロで7割を占める。浄法寺漆は艶があり、硬度も高い。中尊寺金色堂(岩手県平泉町)や金閣寺(京都市)の修復に使われた。
 漆産業を取り巻く環境は厳しさを増す。二戸市によると、1950年代に300人いた漆採取専門の「漆かき」職人は現在、19人にまで減った。ほとんどが70代以上で担い手不足が課題となっている。
 菊池代表は「国内で流通する国産漆の割合は2%程度と言われ、ほとんど輸入に頼っている。岩手が誇る漆の伝統を絶やしたくない。売り上げの一部は職人育成など産業の発展に役立てたい」と語る。
 次回入荷は5月ごろ。店頭販売のみ。予約を受け付ける。問い合わせ同店019(613)3873。


関連ページ: 岩手 経済

2017年01月28日土曜日


先頭に戻る