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<むすび塾>地域防災の課題 再確認

東日本大震災の被災地視察を踏まえ、教訓を各地でどう生かすかを話し合ったむすび塾=28日午後3時5分ごろ、宮城県南三陸町の南三陸ホテル観洋

 宮城県気仙沼市と同県南三陸町で28日あった防災・減災ワークショップ「むすび塾」では、全国各地から訪れた参加者約30人が、東日本大震災の被災地視察を踏まえ、地域防災の課題や啓発報道の在り方を話し合った。
 参加者は、南三陸町の南三陸ホテル観洋であった語り合いで、視察先で聞いた震災語り部や被災者の経験談を基に、実際に被災地を訪れることの重要性を認識。各地域でできる防災・減災の取り組みや改善点を再確認した。
 釧路市連合防災推進協議会会長の土岐政人さん(65)は「避難マニュアルは必要だが、瞬時の判断も大切だと学んだ。そのためにもさまざまな選択肢を頭の中に入れておかなければならない」と話した。
 震災の津波で犠牲になった石巻市大川小児童の遺族らでつくる「大川伝承の会」共同代表の元中学教諭佐藤敏郎さん(53)は、防災訓練の在り方に言及。「訓練のための訓練になっていないか。想定外でも命を救わないといけない」と述べた。
 河北新報社が過去に各地で開いた「むすび塾」に参加した住民からは、むすび塾の開催後に地域の防災意識が高まったことや訓練の見直しに取り組んだとの報告があった。
 地方紙・放送の記者らの語り合いもあり、「災害時に読者を救うことができるのか」「防災は内容も難しい。無力感を感じる」と防災啓発報道への葛藤を抱えているとの声が上がった。
 毎日放送ラジオ局の亘佐和子記者(46)は「視聴者に考えてもらえる言葉を投げ掛けるよう心掛けている」と語った。高知新聞、宮崎日日新聞両社は、地域住民と防災に取り組む紙面づくりを紹介。住民と共に防災・減災を考える大切さを確認した。
 日本災害情報学会会長の田中淳・東大総合防災情報研究センター長は「被災者に寄り添うとは何か。新聞社と放送局は問い直すことが必要だろう」と指摘した。(詳報は2月11日の朝刊に掲載します)


2017年01月29日日曜日


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