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<311次世代塾>大震災風化防ぎ未来へ発信

高校生6人が参加した昨年12月のむすび塾。被災地視察で震災体験を共有し、次世代による伝承と啓発の大切さを確かめ合った=宮城県東松島市

 河北新報社などが開設する「311『伝える/備える』次世代塾」は、東日本大震災の風化を防ぎ、教訓伝承と防災の発信を未来に向けて継続していくための企画になる。震災から6年になる機会に、被災地で学び働く学生や社会人らを対象に改めて「震災としっかり向き合い、備えを確かめよう」と呼び掛ける。
 震災の体験や記憶が薄い世代と震災の出来事をどう共有し、教訓を引き継ぐかが、伝承や防災啓発の分野では最大の課題になる。
 河北新報社は毎月開催する巡回ワークショップ「むすび塾」を通じ、地域や住民レベルでの震災体験と防災意識の共有に力を入れており、そこでも毎回「若者への伝承が鍵になる」との意見が多く出されている。
 昨年12月のむすび塾は宮城県内の高校生6人による被災地視察と語り合いを初めて行った。内陸の高校生からは「体験に触れる機会がもっと欲しい」、助言役の専門家からは「若い世代が主体的に震災に向き合う場を設ける必要がある」との感想や意見が出た。
 次世代塾は被災や支援の現場体験や証言に触れ、そこで得られた教訓を学ぶことに重点を置く。現地視察も取り入れながら犠牲や弔いの現場に立ち会った人、避難の判断を下した人、避難所の課題に直面した人、生活再建を支える人など毎回2人を講師に招く。
 発災直後、復旧期、復興期に分けて総括的な理解のための講義も用意し、震災の全体像を把握する。グループ討議の時間を多く取り、震災とその教訓を踏まえた備えの意識を伝えられる人材の育成を目指す。
 監修は今村文彦東北大災害科学国際研究所所長、舩渡(ふなと)忠男東北福祉大防災士協議会会長。今村所長は「体系立てて震災の詳細に触れる講座は大変貴重だ。地域や全国、世界に向けた震災伝承と教訓発信の担い手として塾生が育つことを期待したい」と語る。
 舩渡会長は「震災に深く向き合うことは、災害対応だけでなく自らの生き方にも関わってくる。震災をわがこととして受け止め、備えの意識を高めるためにグループワークを重視するので、ぜひ受講してほしい」と呼び掛ける。


2017年01月30日月曜日


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