宮城のニュース

<エコラの日々>「センス・オブ・ワンダー」

絵・木下亜梨沙

 年末から体調が優れず、寝たり起きたりの日々を過ごしています。
 ちょっと気分のいいある日、優しい気分になる本を読みたくなり書棚を眺めました。目に留まったのはレイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」でした。久しぶりに手に取り、私はどこか違う世界に導かれていきました。
 レイチェル・カーソンは、アメリカのベストセラー作家であり、海洋生物学者でもありました。有名な「沈黙の春」は環境問題を学び始めた1990年ごろの愛読書。内容は刺激的で、どきどきしながら読みました。
 1962年に出版され、環境汚染と破壊の実態を世に先駆けて告発した本で、当時大きな反響を引き起こし、地球環境への人々の認識を大きく変えるきっかけになりました。
 「自然は沈黙した。薄気味悪い。鳥たちはどこへ行ってしまったのか。みんなが不思議に思い、不吉な予感におびえた」
 「春が来たが、沈黙の春だった。いつもだったらコマドリ、スグロマネツグミ、ハト、カケス、ミソサザイの鳴き声で春の夜はあける。そのほかのいろんな鳥の鳴き声が響き渡る。だが、いまは物音一つしない。野原、森、沼地…みな黙りこくっている」
 「でも敵に襲われたわけでもない。すべては、人間みずからまねいた禍(わざわい)だったのだ」
 この部分は今読んでも胸をぎゅっとつかまれます。
 「沈黙の春」の後に書いたのが「センス・オブ・ワンダー」です。「センス・オブ・ワンダー」は子どもたちが自然の美しさ、神秘をじっと観察することの素晴らしさを教えています。あらゆる生き物が互いに関わり合いながら暮らしていること、どんな小さな生命でも大切なことを感じさせてくれます。そして、子どもたちのこの感性を育むために、自然と触れ合うことの大切さを教えています。
 私は久しぶりに2階のベランダに出て、耳を澄ませました。サア−サアーと風の音、車の音、ピピピという鳥の鳴き声。庭を見ればヒヨドリが餌を求めて飛んできました。遠くに目をやれば林や里山、白くなった奥山が眺望できます。ツンと冷えた空気を思いっきり吸って、新鮮な思いを抱きました。
 春になったら、子どもたちと過ごしたように、孫と一緒に里山探検に行こう!
(ACT53仙台・矢吹真理子)


2017年01月30日月曜日


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