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<仙台市予算案>東部復興 移転跡地活用図る

 東日本大震災で津波被害を受けた市東部の復興を加速させる。柱となる防災集団移転跡地の利活用推進に1億5333万円を計上。被災者から買い取った沿岸5地区の移転跡地約65ヘクタールを事業者に貸し出す考えで、新年度に公募する。
 東部地区ににぎわいを呼び込む拠点に、津波に襲われた海岸公園を位置付ける。再整備事業に2億696万円を配分し、若林区井土地区の冒険広場や馬術場などの復旧を仕上げる。全面的な利用再開は2018年度を見込む。
 土地区画整理事業が進む宮城野区蒲生北部地区の復興再整備には54億1969万円を投じる。業務系用地として産業集積を目指す計画で、新年度も引き続き造成工事などを行う。
 県道塩釜亘理線などのかさ上げによる東部復興道路(全長10.2キロ)の整備はピークを迎え、125億9996万円を充てた。盛り土工事などを継続し、18年度の完成を目指す。
 若林区の六郷東部地区の現地再建まちづくりには2650万円を確保した。3月で閉校する東六郷小の跡地を地域の拠点として整備するため新たに盛り込んだ関連経費1000万円が含まれる。

◎防災/旧荒浜小 一般公開

 東日本大震災の教訓を国内外に発信するため、防災環境都市づくりの推進に6384万円を計上した。このうち市内で11月に開かれる国際会議「世界防災フォーラム」の開催経費が3768万円を占める。
 被災状況や復旧復興の過程を後世に伝える震災復興メモリアル事業には1億3602万円を配分した。新年度に始める旧荒浜小(若林区)の一般公開など震災遺構の保存や活用に3228万円を充当。海外に復興の歩みを紹介する英語版記録誌の作成に向け、450万円も新たに盛り込んだ。
 市は老朽化した市役所本庁舎の建て替えに向け、新年度に有識者による検討委員会を設置し、基本構想を策定する。関連経費として1747万円を計上した。

◎子どもの貧困/対策計画を策定へ

 仙台市でも深刻化しつつある「子どもの貧困」対策に1億円を計上した。対策を総合的に推進するため新年度に「子どもの貧困対策計画(仮称)」を策定する。現在20人ほどの家庭相談員を各区で1人ずつ増員し、子どもや家庭の問題に対応する相談体制強化に1383万円を配分した。
 生活困窮世帯の高校生の中退防止に取り組む新規事業に647万円を確保。進級支援や悩み相談に応じ、中退した子どもに対しても進路を支援する。生活保護受給世帯と児童扶養手当の全部支給世帯の中学生が対象の学習サポート事業を継続し、6964万円を充てる。生活に困窮した人たちの就労支援やパソコン講座などを受講する就労準備支援に1億1769万円、求職中で住居を失う恐れのある人が対象の住宅確保給付金の支給に2426万円を計上した。
 路上生活者への衣食住の提供など自立支援に1億951万円、生活保護受給者を対象とした就労支援には4895万円を充当した。

◎少子高齢化/3歳の壁解消狙う

 3歳になると預け先がなくなる「3歳の壁」問題に着眼。2歳までが対象の小規模保育施設で3歳以降の受け皿を拡大するため、受け入れ連携施設の保育所で保育士を増員した際の人件費助成の拡充に1億1136万円を確保した。連携を促進するコーディネーター2人も配置する。
 子育て支援施設「子育てふれあいプラザ(のびすく)」2カ所に専門相談員を1人ずつ配置するなど、育児相談の機能充実には450万円を充てた。
 介護保険制度の改正に伴い、住民やNPOなど多様な主体が参画して介護サービスを担う介護予防・日常生活支援総合事業に23億5217万円を計上した。町内会などに派遣されたリハビリテーション専門職が、介護予防の助言や運動指導を行う。

◎東北連携/絆まつりに3億円

 東北全体の発展を目指して本年度新設し、初の当初予算案編成となった「東北連携推進室」に4億4484万円の関連経費を計上した。東北六魂祭の後継イベントとして東北の県庁所在地6市の夏祭りを一堂に集める「東北絆まつり」の開催経費が3億1140万円と、全体の7割を占めた。
 全国の0.9%(2015年)にとどまる東北6県の外国人宿泊者数の増加に向け、東北の自治体と連携した観光施策に着手。海外の旅行博などでのプロモーションに2252万円、復興ツーリズム推進に2000万円、東北の観光案内所をインターネット電話でつなぐ取り組みに1500万円を投じる。
 昨年11月に山形市と結んだ連携協定に基づき、JR仙山線開業80年記念のイベントや同市所在の企業との協働などに計2270万円を充てる。

◎都市力/ブランド構築 本腰

 東日本大震災からの復旧復興で後手に回っていた都市ブランドの構築に本腰を入れる。杜の都を象徴する定禅寺通(青葉区)の街並み再構築の検討に3000万円を割り振り、文化的な雰囲気を生かした活性化に乗り出す。大型の再開発が続くJR仙台駅周辺に集中する人の流れを呼び込む。
 まちの原型を築いた仙台藩祖伊達政宗の生誕450年の記念事業に6239万円を計上。市博物館で特別展を開くほか、政宗ゆかりの地を巡る旅行商品を開発し、交流人口の拡大につなげる。
 「日本一起業しやすいまち」の実現に向け、急成長を見込むベンチャー企業などと投資家や大企業をつなぐ橋渡し事業に3500万円、起業志望の学生の海外留学や外国人の創業支援に963万円を盛り込んだ。
 2020年ごろに人口減少に転じるのに備え、中心部の空洞化や郊外の高齢化への対応を強化。空きビルなどを活用したにぎわいづくりに1554万円、郊外住宅地の自発的な課題解決に5092万円を充てる。


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2017年02月01日水曜日


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