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<仮設商店街>気仙沼「退去後未定」3分の1

4月末に退去期限を迎える気仙沼市内湾地区の「南町紫市場」

 宮城県気仙沼市内湾地区で今春に退去期限を迎える仮設商店街2カ所について、退去後の移転先を「未定」とする店が全体の3分の1を占めることが、市の調べで分かった。被災市街地の再生が遅れて物件が不足していることなどが要因。既に休廃業は1割に上っており、休業や本格再建を断念する動きが広がる可能性がある。
 区画整理のため退去期限を4月末に迎える「南町紫市場」と、3月末に迫る「復興屋台村 気仙沼横丁」の1月下旬時点の見通しは表の通り。市によると計55店(2店は未調査)のうち29店が移転継続する一方、退去した後の行き先が決まっていないのは18店で、6店が休廃業する。
 市内最大の仮設商店街の南町紫市場。「とんかつ勝子」を営む小野寺耕さん(49)は「条件の合う物件が見つからず、気仙沼を一時離れるかもしれない」と言う。東日本大震災から6年。空き物件が出てくると見込んだが、被災市街地の再生の遅れが影響し、物件数は増えていない。賃料も高騰し、二の足を踏む。
 未定は特に飲食店に多い。調理場周りの仕様などの関係で、物件の入居制限を受けるケースがあるからだ。やきとり「○安」を営む岩槻邦雄さん(74)も「物件探しは厳しい。娘が跡を継いでくれるので道を切り開きたい」と必死さをにじませた。
 区画整理地に本格再建の受け皿となる新商店街共同店舗(24店)ができるのは5月。紫市場から13店、屋台村から2店が移転するが、高齢化などを理由に出店をためらっている人もいる。同市場の坂本正人副理事長(59)は「街に人が戻るのか不安もあるようだ。まだ2店舗の空きがあるので被災事業者に出店してほしい」と呼び掛ける。
 復興屋台村で移転先が未定なのは、震災後に新たに店を始めるなど、施設再建を支援する国のグループ化補助金を活用できない事業者が多い。
 こうした国の補助金が使えない仮設事業者の再建を後押ししようと、市は昨夏から、補助金の上限を300万円から500万円に引き上げた。ほかの仮設商店街への移転も勧め、紫市場から3店が移った。
 市商工課は「各店はぎりぎりまで移転先を模索している。2月に移転可能な仮設施設が8店舗に増えるのであっせんを続け、街のにぎわいが薄れないようにしたい」と話している。


2017年02月02日木曜日


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