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<E野球のチカラ>俊足田中 成長の予感

茂木に続く逸材と期待される田中。キャンプ初日は打撃練習に汗を流した=1日、沖縄県久米島町の久米島野球場
立花陽三(たちばな・ようぞう)1971年東京都生まれ。慶大卒。メリルリンチ日本証券などを経て、2012年8月から現職。

 東北楽天の立花陽三社長が地域密着した球団運営を語るコラム「E野球のチカラ」を随時掲載します。

◎楽天・立花陽三社長 新戦力への期待

 観覧車新設や天然芝導入など、ファンの方々が足を運びやすく、より地域密着につながる「ボールパーク」づくりを進めてきた。今季から球場の名称を「Koboパーク宮城」(略称・コボパ宮城)とした。2月に入り、久米島キャンプが始まった。ファンの皆さんも新戦力を加えたチームへの期待が高まっていると思う。チーム編成にも携わる立場なので、最初に昨秋以降、力を注いだ補強の話をしたい。
 去年はキャンプ開始早々に茂木栄五郎内野手が評価を上げた。今年の期待の星は3位の田中和基外野手(立大)。1月の新人合同自主トレで短距離のタイム測定をすると、島井寛仁外野手のチーム記録を上回った。俊足に、両打席でアーチを描ける長打力、強肩も誇る。すごい選手に成長しそうな予感がある。昨秋のドラフト会議前に、星野仙一球団副会長、梨田昌孝監督がビデオを見て「絶対に欲しい」とほれ込んだほどだ。外野手の定位置争いに割って入るだろう。

 ドラフトでは、1位指名で目玉の田中正義投手(創価大)の争奪戦に加わるかのように報道された。いざふたを開けると、1位が藤平尚真投手(神奈川・横浜高)で驚いた方も多かっただろう。でも真相は、藤平を最大3球団の指名重複覚悟で狙ったら単独指名になった、ということ。前々日のスカウト会議で方針を決めていた。1位候補の資料を並べ、議長の私が「将来100勝以上できるのは誰だ」と聞いた。スカウト全員に投票してもらうと藤平が満票。総意だった。

 ドラフトはエースや4番打者の卵を獲得するのが重要。2012年以降、森雄大、松井裕樹、安楽智大の3投手、オコエ瑠偉外野手と将来性の高い高校生を1位指名し、基本理念は一貫している。10年続ければ、投手では「第二の田中(将大、ヤンキース)」と呼べる存在も出るだろうし、強いチームができるはずだ。
 その田中が1月下旬、今年も帰ってきた。則本昂大投手らと一緒に仙台市内の被災した小学校を訪れ、児童と交流した。「非常に感動した。来年も行きたい」と言っていた。背景に、東北に育ててもらった感謝と、恩返ししたい気持ちを強く感じる。成功した選手にもかかわらず、実家に帰ってくるように東北と関わり、力になろうとする姿が素晴らしい。今年入った新人たちもグラウンド内外での田中の立ち居振る舞いに学ぶところは多いだろう。


2017年02月02日木曜日


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