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<省エネ大賞>釜石のエヌエスオカムラ最高賞

消費エネルギーを大幅に削減した塗装工程の設備
省エネ大賞で経産大臣賞に選ばれたエヌエスオカムラの工場

 鋼製家具製造のエヌエスオカムラ(岩手県釜石市)の工程見直しの取り組みが、一般財団法人省エネルギーセンター(東京)が主催する2016年度の省エネ大賞で、省エネ事例部門の最高賞となる経済産業大臣賞に選ばれた。家具の塗装工程に独自の技術を導入し、エネルギー消費量を大幅に削減したことが評価された。東北に本社を置く企業の受賞は初めて。
 同社はオフィス用デスクや倉庫・図書館向けラックなどを製造。塗装工程の前処理ではリン酸などの薬剤を鉄材に吹き掛け、鉄を腐食させて塗料を塗りやすくするのが一般的。鉄と反応させるために薬剤を60度程度にする必要があり、ボイラーなどの熱源が不可欠だった。
 同社は、独自の添加剤を混ぜた薬剤で鉄をコーティングして塗料を付着させることに成功し、従来の前処理が不要になった。2015年1月に新技術を本格的に導入し、15年度の生産額100万円当たりのエネルギー消費量を前年度比で16%削減した。新しい薬剤は安価な上、リン酸系薬剤で処理した場合に生じる酸化物などの廃棄物が発生しないため、年間約5000万円のコスト削減につながった。
 同社にはオフィス家具メーカー岡村製作所(横浜市)と新日鉄住金(東京)が共同出資する。東日本大震災の津波で工場が全壊し、12年5月、新日鉄(現新日鉄住金)の釜石製鉄所構内に移転、新築した。新工場の稼働を機に高効率化を目指し、エネルギー消費量全体の55%を占めていた塗装工程の改善を進めた。
 エヌエスオカムラの新沼伸一技術部長は「震災後、小さな工場の名をいかに広めるかを考えてきた。評価してもらい、身が震えるほどの感謝の気持ちでいっぱいだ」と語った。
 東北の製造拠点の経産大臣賞受賞は、12年度のパナソニック山形工場以来だが、東北に本社がある企業の受賞はなかった。
 16年度の表彰式は東京で15日にある。東北関係では、製品・ビジネスモデル部門でアースクリーン東北(仙台市)の間接気化式冷却器が中小企業庁長官賞、アイリスオーヤマの家庭用高効率LED(発光ダイオード)シーリングライトが省エネルギーセンター会長賞にそれぞれ選ばれた。


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2017年02月02日木曜日


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