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<超臨界地熱発電>仙台近郊カルデラ候補浮上

カルデラ湖底に有機物などが堆積してできた白沢層=2016年12月、仙台市青葉区上愛子白沢

 東北大などのグループが構想を進める超高温・高圧の熱水を利用した「超臨界地熱発電」の候補地の一つに、かつて大規模噴火した仙台市西部の「白沢カルデラ」が浮上していることが2日、分かった。実現すれば、大都市近郊で火山跡の超臨界水を利用した地熱発電という前例のない取り組みになる。
 白沢カルデラは市中心部の西約10キロにあり、南北約20キロ、東西約18キロ。1000万〜500万年前に大量の火砕流が噴出して地下に空洞ができ、地盤が陥没した。現在も地下10〜20キロにマグマだまりが存在し、3〜5キロに熱水があると推定される。
 東北大などのグループは2014年度から新エネルギー・産業技術総合開発機構の研究費を得て、構想を進めている。八甲田山・八幡平周辺(青森、岩手、秋田各県)、栗駒山周辺(岩手、宮城、秋田各県)も候補地で、両地域には既に地熱発電所が立地している。
 東北大大学院環境科学研究科の土屋範芳教授(地球工学)は「将来の技術開発が必要になるが、17年度に試掘地を決め、30年までに実用化したい」と話す。
 土屋教授によると、白沢カルデラ以外の2候補地は大部分が国立・国定公園内で開発規制がある半面、超臨界水を得られる可能性が高いという。一方、白沢カルデラは電力消費地の仙台市街地に近く、送電ロスを減らせるメリットがある。
 従来の地熱発電は地下1〜2キロにある200〜300度の熱水をくみあげ、蒸気でタービンを回す。現在、国内36カ所で計約30万キロワットを発電しているが、超臨界地熱発電所1カ所が稼働すれば、出力は最大数百万キロワットに上る可能性がある。
 土屋教授は「都市近郊の古いカルデラで地熱発電が可能なら、エネルギーの地産地消が視野に入る」と強調する。
 政府は東京電力福島第1原発事故後、再生可能エネルギー開発を重点化した。17年度予算案でも、超臨界地熱発電を含む「地熱発電の導入拡大に向けた技術開発事業」に約22億円を計上した。

[超臨界地熱発電]深さ2キロ以上の岩石の亀裂にあるとされ、流体でも気体でもない性質を持つ超臨界水(温度374度以上、圧力22メガパスカル以上)を利用する。井戸1本当たりの発電見込み量は約3万5000キロワットで、従来の地熱発電(3000〜5000キロワット)の約10倍。


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2017年02月03日金曜日


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