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<にゃんとワンポイント>「力で支配」は逆効果

けんかするきょうだい犬。「上下関係」という感覚を犬が持っているかどうかははっきりしない(東北動物看護学院)

◎犬の権勢症候群

 犬に甘い態度を見せると、飼い主の言う事を聞かなくなり、わがままになる。だから飼い主は常に犬の上位に立たなければならない−。犬をしつける留意点として、これまで多くの専門家がこう唱えてきました。
 犬の祖先であるオオカミは、リーダーを頂点に上下関係のある群れをつくります。一方で格下の個体はリーダーに対して攻撃を仕掛け、地位の逆転を狙うこともあるといいます。
 オオカミの習性を犬に当てはめて考えられたのが、「権勢症候群」という捉え方です。「家族」という群れの中で、飼い主より上位に立とうとする犬の問題行動を指します。従来のしつけ指南書は、家族内での上下関係は力づくで自覚させよ、と勧めてきました。
 近年、このような考え方は間違いだとする見解が一般化しつつあります。まず上下関係という感覚を犬が持っているかはっきりしません。何より一番の問題は、力によって支配しようとすることです。
 犬は普段、痛い、怖いなどの理由がある時にかみつくことがあります。犬にとっては当たり前の行為なのですが、旧来のしつけ論では、それを人への反抗と見なし、強制的に押さえ込むことで、マナーが身に付くと考えられてきたのです。
 これでは犬を余計に興奮させ、逆に攻撃的な行動を教えてしまうことになりかねません。叱る前に何を嫌がっているのか、よく観察することが重要です。原因が分かれば適切な対処法も見いだせるはずです。手に負えない場合は獣医師に相談しましょう。
 飼い犬を抑圧することなく穏やかに過ごしている家族はたくさんあります。犬の性格を理解し観察眼を養うことで、犬との良好な関係を築いてもらいたいと思います。(ノア動物病院・獣医師 後藤千尋)


2017年02月03日金曜日


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