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<福島第1>格納容器内 数十秒で死亡530Sv

東京電力福島第1原発2号機の原子炉格納容器内部調査で撮影した画像。下部に差し込んだカメラで上から下方向に向かって撮影した映像のこま落とし。写真は同社が画像を合成(東京電力提供)

 東京電力は2日、福島第1原発2号機の原子炉格納容器の内部調査で撮影した映像を解析した結果、推定で毎時530シーベルト(Sv)と極めて高い空間放射線量を格納容器内で測定したと発表した。福島第1原発で測定した値としては過去最大という。実際の放射線量を測定できるロボットなどを投入してさらに詳しく調べる。
 内部調査は1月26、30の両日、先端にカメラが付いたパイプを挿入して実施。30日の調査で、圧力容器真下の作業台で溶融燃料(燃料デブリ)の可能性がある堆積物を初めて確認した。
 映像を分析した結果、圧力容器から下に延びる筒状の構造物に堆積物が付着していることを新たに確認。半径約5メートルの作業台のうち、約1平方メートルが脱落しかかっている状況も分かった。
 高線量は格納容器の貫通部と圧力容器を支える筒状の台座(ペデスタル)の間で観測された。映像のノイズから解析して評価した。線量計による測定との誤差の範囲は30%程度という。2012年3月に線量計を使って別の場所で測定した際は最大毎時73シーベルトだった。
 東電は「ロボットの投入の可否も含め、引き続き調査方法を検討する」と説明した。

◎530Sv「想像できぬ高線量」

 東京電力福島第1原発2号機のカメラ調査による映像の解析から、原子炉格納容器内部の放射線量が最大で毎時530シーベルトと推定された。その場に数十秒いただけで死に至るレベルで、専門家から「想像もできない高線量だ」と驚きの声が上がった。
 核燃料などから出る放射線は生物の細胞や遺伝子を傷つけ、がんを引き起こすなどさまざまな悪影響を与える。自然環境からも弱い放射線は出ており、日本では平均で年間約2.1ミリシーベルト、世界全体では平均2.4ミリシーベルトの被ばくがある。
 100ミリシーベルト以下の低線量被ばくが健康に与える影響はよく分かっていないが、100ミリシーベルトを超えると、発がんリスクが上昇。千ミリシーベルト(1シーベルト)を超えると重大な影響が出始め、女性の不妊や脱毛、白内障などが起こる。
 放射線医学総合研究所(放医研)によると、4シーベルトの被ばくで、2人に1人が死亡し、7シーベルトで全員が死亡する。1999年に茨城県東海村の核燃料加工会社で起きた臨界事故で死亡した作業員は、最大で約20シーベルト被ばくした。毎時530シーベルトという放射線量について、放医研の担当者は「医療の対象として、考えたことのなかったレベルの放射線量だ」と絶句した。
 東電は、530シーベルトという数値には3割程度の誤差が含まれるとしているが、それを考慮しても極めて高い線量だ。溶け落ちた核燃料に近づけば、放射線量がさらに高まるのは確実とみられる。

[福島第1原発事故の燃料溶融]東京電力福島第1原発事故では東日本大震災で全交流電源を喪失し、運転中だった1〜3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。原子炉内の核燃料は運転を停止しても熱を出し続けるため、冷却できなくなれば2千〜3千度に達して溶ける。2号機は溶けた燃料の一部が、1、3号機は燃料の大部分が原子炉圧力容器の底部を突き抜けて格納容器に落ちたとみられている。


2017年02月03日金曜日


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