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飼料用米で和牛肥育 仕上がり優しい味に

飼料用米をメインに100%国産の飼料で黒毛和牛を肥育する矢野社長

 山形県天童市の「和(なごみ)農産」が3年前から、100%国産飼料で黒毛和牛を肥育している。消化しにくく、牛の餌には向かないとされる飼料用米を特殊加工し、徐々にブレンド割合を高めてきた。国内の畜産がトウモロコシや大豆など飼料の多くを輸入に頼る中、生産量が増加傾向にある国産飼料用米の利用拡大策として注目を集めそうだ。

 和農産のオリジナル飼料は大麦や大豆など10種類の穀物をブレンドしているが、比率が最も高いのは飼料用米だ。1月からは肥育している800頭全てに飼料用米を40%配合した餌を与えている。
 飼料用米は養豚や養鶏では一般的に使われている。でんぷん含有量が多いため牛に与えすぎると消化不良を起こしてしまい、牛の飼料としては普及していないのが現状だ。
 和農産は、飼料用米を加工すると発酵スピードが変わることに着目。獣医師や飼料メーカーと協力し、(1)水を加えて発酵させた(2)加熱処理して圧縮した(3)焼き固めてペレット状にした−3種類の餌を開発。3種類の配合割合を探り、最適の餌を作り上げた。
 油脂が少ない分、肉は脂っこくなく優しい味に仕上がる。国産飼料100%の牛肉を味わってもらおうと、昨年6月には天童市内に直営の販売店をオープンさせた。すき焼き用の肩肉やもも肉を100グラム900円台から売っている。
 飼料用米での肥育に挑戦したのは、2013年に輸入穀物の値上がりで配合飼料価格が高騰したことがきっかけ。国の政策転換で生産が増える飼料用米を活用し、安全・安心な畜産を実現しようと取り組み始めたという。
 1年間に使う飼料は約2160トン。飼料用米の調達先を県内に絞り、輸送経費を抑えているほか、加工は牧場内で行うなど企業努力を重ねている。だが、100%国産の飼料は配合飼料より若干高いという。
 矢野仁社長は「さらなるコスト削減が課題の一つ。技術的には飼料用米の比率を65%まで高めても肥育できそうだ」と、今後もチャレンジを続ける考えだ。


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2017年02月04日土曜日


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