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<里浜写景>古代の製法丹精込めた藻塩

海水をじっくり煮詰める藻塩作り。沸騰した大釜から湯気が上がる
伝統の藻塩が作り。あくを丁寧に取り除きながらの作業は10時間を超える

 石組みのかまどに掛けた大きな釜から、もくもくと白い湯気が立ち上る。宮城県塩釜市港町にある合同会社「顔晴(がんば)れ塩釜」の製塩場で、伝統の藻塩が作られている。
 海藻のホンダワラに注いだ海水を煮詰める。塩釜神社の末社・御釜神社で、古代の塩作りを伝承する神事に倣った製法。あくを丁寧に取り除きながらの作業は10時間を超える。
 技術責任者の及川文男さん(68)は「海藻とミネラル豊富な海水を使うことで、まろやかな甘味が生み出される」と自信たっぷりに語る。
 東日本大震災で製塩場は高さ3メートルの津波に襲われた。かまどと釜、塩釜神社のお札を納めた神棚だけが残った。「続けろということか」。2カ月後、及川さんは復興の願いも込め、再び釜に火を入れた。
 2トンの海水から出来上がる藻塩は35キロほど。丹精込めた海からの贈り物だ。(文と写真 写真部・庄子徳通)

[メモ]「顔晴れ塩釜」は2009年、まちおこしを目的に設立。藻塩製造のほか、塩の歴史や製法を教える活動も展開。商品は「塩竃の藻塩」(80グラム・540円)「塩竃の藻塩フラワーソルト」(60グラム・710円)など。塩釜市内の物産店などで購入できる。連絡先は022(365)5572。


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2017年02月05日日曜日


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