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<東北財務局>地域活性化に金融の力を

東北第1号となった財務局と宮城県柴田町の包括連携協定締結式で、握手を交わす中田局長(左)と滝口町長=昨年10月、柴田町役場

 東北財務局が宮城県南部の自治体と「地域活性化に関する包括連携協定」を精力的に結んでいる。地元金融機関を交えた意見交換の場を設けるのが主な目的で、金融機関の資金や経営支援ノウハウを生かし地域経済の振興を促す狙い。人口減少に悩む自治体側も若い世代の移住や起業・創業につながると期待を寄せる。(報道部・田柳暁)

<柴田町長が提案>
 「地域の活性化には金融機関と自治体の連携が重要だ。両者をつなぐ役割を果たしたい」
 昨年12月にあった財務局と宮城県丸森町との協定締結式で中田悟局長はこう力を込め、保科郷雄町長と握手を交わした。
 財務局と協定を結んだのは、昨年10月の柴田町、11月の七ケ宿町、12月の白石市に次いで丸森町が4番目。協定には他の自治体同様、意見を交わす金融フォーラムの定期開催や大規模災害時の財務局職員派遣、国有地活用を盛り込んだ。
 丸森町企画財政課の担当者は「移住や起業を考える若い人に町の補助制度や金融機関の融資情報を一緒に示せば、より具体的に考えてもらえる」と強調した。
 財務局が県南の市町と結ぶ協定は、職員が柴田町を訪れた際、滝口茂町長から提案されたのがきっかけ。滝口町長は「行政は経営の視点に弱い。金融機関のノウハウを生かせばビジネスの拡大、町の活性化につながる」と振り返る。
 従来、金融機関と自治体の結び付きは強くなかった。ある町の担当者は「指定金融機関とのつながりや振り込め詐欺防止など防犯上の関わりが中心だった」と明かす。
 地方創生に向けた総合戦略策定では、多くの自治体が策定メンバーに金融関係者を迎えたが、金融機関の強みを生かす場面はほとんどなかった。「力を生かし切れていない」(財務局)との判断が協定締結の背景にある。

<成功事例を蓄積>
 協定に基づき、意思疎通を密にしようと昨年11月、仙南9市町と5金融機関などでつくる「仙南地域金融フォーラム」を財務局主導で設置。これまで会合を2回開き、金融機関が関わって特産品のブランド化や販路拡大につながった事例などを市町職員が学んだ。
 連携の先例として滝口町長が挙げるのが、柴田、丸森両町を含む県南4市9町に訪日外国人旅行者を誘致しようと、3月にも設立される県内初の「日本版DMO」(観光地域づくり推進法人)だ。七十七銀行の担当部長が準備組織に参加し、財務面の助言や事業者と地域との調整を担う。
 滝口町長は「金融機関の目利きで認めた事業者だから行政も安心して支援できる。周辺市町を含めて情報交換し成功事例を蓄積することが連携継続の鍵になる」と指摘する。
 東北財務局は今後、県南の他の自治体とも協定を結ぶ方針。総務部の担当者は「地方創生における金融機関の役割は大きい。財務局抜きでも金融機関と自治体が連携できるようになってほしい」と期待する。


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2017年02月07日火曜日


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