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<タリウム事件>劇物投与「多量の可能性」

名古屋大の元女子学生の初公判で、傍聴券抽選のため名古屋地裁前に並ぶ人たち=1月16日

 名古屋市で知人の高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた元名古屋大女子学生(21)=仙台市出身、事件当時未成年=の裁判員裁判の第8回公判が6日、名古屋地裁で開かれた。タリウム混入事件で鑑定人を務めた順天堂大医学部の千葉百子客員教授が出廷し、「体内に入ったタリウムの量はもっと多かった可能性がある」と証言した。
 千葉氏は2005年に起きた静岡県伊豆の国市の元女子高校生による母親殺害未遂など、これまで3件のタリウム混入事件で鑑定書を作成。12年に起きた今回の事件でも被害者2人の毛髪などを詳しく分析した。
 硫酸タリウムの投与量は、元名大生の供述などから被害男性(20)が2回で計約1.2グラム、被害女性(21)が約0.8グラムだったとされる。
 千葉氏は「(重症度や発症時期の早さから)もっと量が多かったかもしれない」と推測。1回目の投与から約50日後に再びタリウムを飲まされた男性について「最初の投与分が体内にまだ残っていた」と述べた。
 千葉氏は「1グラムのタリウムは成人が確実に死亡する量だ。2人は死亡する危険性があった」と語った。
 タリウムの特徴については(1)8〜12時間の経過以降に発症するなど効き目が遅い(2)初期症状が他の毒劇物と似ており、原因特定が難しい−などと指摘。毒物事件ではこれまでヒ素が多用されてきたが、近年はタリウムを悪用する事件が目立つという。


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2017年02月07日火曜日


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