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<岩手県予算案>復興へ経済活性化に軸足

 岩手県の2017年度一般会計当初予算案は、東日本大震災からの復興に伴うハード事業が一段落し、被災者の心の復興や数年後を見据えた経済活性化戦略が中心となった。復興計画は締めくくりの2年間に入り、達増拓也知事は今年9月に3期目の任期の折り返しを迎える。予算執行で独自色を創出できるかどうかは「復興後」の県政の針路を占うことになる。
 達増知事は記者会見で「震災と台風10号からの復興を最優先に取り組み、未来の地域振興につなげる予算だ」と強調した。
 震災対応分は前年度当初比24%減の3043億円。予算規模は縮小したが、施策はハードから被災者ケアを柱としたソフトへ移り重要性は増す。災害公営住宅は市町村整備分も含め、新年度中に計5224戸に増える。生活再建の本格化に備え、お年寄りらの孤立を防ぐコミュニティー構築が急務だ。
 「復興後」に向けては釜石市で開かれる19年ラグビーワールドカップを通じた交流人口増、世界遺産の平泉を軸とした観光振興、アジア市場への県産米や工芸品の発信を盛り込んだが、総花的な事業の羅列という印象を拭えない。
 財政運営は綱渡りだ。人件費や公債費など義務的経費の割合を示す経常収支比率は90%超えが続く。県債残高は減少傾向だが、貯金に当たる財政調整3基金の残高は4年連続で減り、財政の硬直化が進む。
 達増知事は「復興に依存した経済から平時の経済へ移行させ、税収増を見込める経済成長を図る」と述べた。復興期に一定の評価を得た手腕は、復興後に向け真価が問われる。(解説=盛岡総局・横山勲)


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2017年02月10日金曜日


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