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<イケメン若旦那>地元野菜で魅力アップ

花巻産野菜を生かした料理やドレッシングを手にする(左から)清水社長、久保田常務、藤井専務

 立春は過ぎたが、まだまだ寒さ厳しい季節。東北各県には、身も心も癒やされる温泉地や湯煙の宿が数多くある。顔に限らず、心意気、行動力でも魅力的な「イケメン」の若旦那たちに、自慢のご当地を案内してもらおう。

◎温泉地を行く(2)花巻温泉郷(岩手・花巻)

<3旅館が連携>
 温泉宿の朝ごはんで、花巻産冬キャベツを使った自慢の一皿が存在感を放つ。
 キャベツのせいろ蒸し、キャベツのバターグリル、和風ロールキャベツ…。花巻市の花巻温泉郷にある3旅館は昨年12月〜今年1月、趣向を凝らした味をそれぞれ宿泊客に提供した。
 「はなまき朝ごはんプロジェクト」と銘打った取り組み。3旅館が連携して旬の地元野菜を生かした朝食を出し、花巻観光の発信強化に挑んでいる。
 手掛けるのは、志戸平温泉「湯の杜ホテル志戸平」の久保田龍介常務(37)、鉛温泉「藤三旅館」の藤井大斗専務(37)、新鉛温泉「愛隣館」の清水隆太郎社長(40)。同年代で付き合いの深い若旦那3人組だ。
 プロジェクトは2014年7月に始動。背景には団体客の減少など先細る宿泊旅行への不安があった。
 花巻温泉郷は泉質(効能)の異なる温泉が狭い範囲に集まり、湯巡りも楽しめる保養地。久保田常務は「旅館がサービスの質を上げても旅行先に選ばれないと意味がない。旅館自ら花巻の魅力を高める必要があると考え、地元野菜のPRを思い付いた」と説明する。

<土産物開発も>
 朝食では旬の地元野菜を使ったおかず1品と、花巻産ひとめぼれのご飯を共通メニューとして提供する。野菜は約2カ月ごとに変え、3館の料理長がそれぞれレシピを考案する。
 野菜を出荷するのは、花巻市農村青年クラブに所属する30〜40代の若手農家たち。3人で畑に出向き、作業を手伝い、協力を求めてきた。これまでに長ネギやピーマン、アスパラガスなど計13種の野菜を煮物やスープにして提供した。
 朝食会場には生産農家の紹介パネルを置く。藤井専務は「東日本大震災の炊き出しで食の大切さに気付き就農した自衛隊員ら経歴も魅力的で、アピールする武器になる」と話す。
 冬キャベツを提供した平賀恒樹さん(39)は「全国の方に食べてもらえるのでモチベーションも上がる。種まきから収穫までを数回に分けて体験する宿泊プランなど、農家と旅館が観光で連携できる部分はまだある」と期待する。
 地元野菜入りのドレッシングやスイーツを開発し、土産物にする構想も進む。
 清水社長は「各旅館が競争するだけの時代は終わった。3人の若い感性と軽快なフットワークで、温泉郷全体を巻き込むプロジェクトに発展させて花巻ファンを増やしたい」と意気込む。(盛岡総局・斎藤雄一)

[メモ]花巻温泉郷には13の温泉地があり、計37の温泉宿が営業する。湯の杜ホテル志戸平は東北自動車道花巻南インターチェンジ(IC)から車で約15分。藤三旅館と愛隣館は同ICから車で約20分。3館の2〜3月の朝食にはシイタケを使ったメニューが登場する。1月まで提供した冬キャベツ料理は、11日に花巻市文化会館である「わんこそば全日本大会」で試食できる。


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2017年02月10日金曜日


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