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<イケメン若旦那>銀世界の魅力売り込む

十和田湖冬物語の開催を前に、準備中の会場を見て回った田村さん

 立春は過ぎたが、まだまだ寒さ厳しい季節。東北各県には、身も心も癒やされる温泉地や湯煙の宿が数多くある。顔に限らず、心意気、行動力でも魅力的な「イケメン」の若旦那たちに、自慢のご当地を案内してもらおう。

◎温泉地を行く(3)十和田湖温泉郷(青森・十和田)

<埼玉から移住>
 十和田湖、奥入瀬渓流は青森県十和田市だけでなく、青森県を代表する観光スポットだ。今は銀世界に覆われ、新緑や紅葉の時季の人出がうそのよう。静けさの中を散策すると、盛期とは違った魅力に出合える。
 奥入瀬渓流の近くにある十和田湖温泉郷。その一角で「南部屋」を経営する田村暁(さとる)さん(40)は「自然のど真ん中に簡単にアクセスできる環境は、世界を見渡してもあまりない。四季に奥深さがある」と話す。
 さいたま市出身で、昨年4月に売りに出ていた民宿を購入し、同市から移り住んで営業を始めた。旅行会社の添乗員として国内各地や南アジアの秘境系を見て回った約11年間の経験を踏まえ、十和田の自然の豊かさに太鼓判を押す。
 田村さんが奥入瀬渓流で特にお気に入りという「阿修羅の流れ」に一緒に向かう。ゴウゴウと瀬音を響かせていた川は冬の間、水量が大幅に減る。森は静まり返り、水は雪帽子をかぶった岩の間をゆっくり流れる。こけむした夏の渓相ばかりが奥入瀬ではない。

<テレビもない>
 「地元の人は『ここって何もないから』と謙遜するけど、奥入瀬渓流や十和田湖は全国的に有名。関東の人から見たらこの『何もない』が最高」。実際のところ、南部屋の客室にはテレビもエアコンもない。
 もちろん、何もないと言っても、そこは観光地。十和田湖畔の休屋地区に足を運べば、今月3日から26日まで雪祭り「十和田湖冬物語」が開かれている。巨大なかまくらBarや冬花火、イルミネーションが連日午後9時まで楽しめる。
 市の観光施設「奥入瀬渓流館」では今冬、コケブームにあやかり「こけラテ」の提供を始めた。抹茶と豆乳を使用し、見て楽しい、飲んでおいしい冬限定の一杯に記者の表情も緩む。
 地元に住んでみて、田村さんは地域の観光資源に確かな将来性を感じている。冬の奥入瀬渓流や十和田湖の美しさ、スノーシューを使ったトレッキングなど、これまでほとんど紹介されてこなかった冬の魅力を東京に売り込めば−。
 「移住1年目は多くの人に助けてもらった。2年目以降は、地元の人たちと温泉郷を盛り上げたい」
 国内外の観光地を知る元添乗員が言うと、心強い。(八戸支局・岩崎泰之)

[メモ]十和田湖温泉郷の温泉宿は8軒(冬季休業中の施設を含む)で、国道102号を挟んで両側にある。近くにスキー場もある。JR七戸十和田駅(青森県七戸町)からレンタカーで約40分、JR八戸駅(八戸市)から約1時間20分。仙台市からは東北自動車道を使って約4時間。十和田湖冬物語の期間中は七戸十和田駅、八戸駅からそれぞれ有料のシャトルバス、臨時バスが1日1往復出る。


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2017年02月14日火曜日


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