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<四季の学校>農村体験20年 活動に終止符

閉校のあいさつをする「四季の学校・谷口」の庄司理事長(左)

 山形県金山町で、農業・農村体験による都市との交流を図ってきた「四季の学校・谷口」の卒業式(閉校式)が11、12日、現地であった。1996年閉校の金山小谷口分校を拠点に、「廃校」を地域の新しい学びの場に再生させる先進的な取り組みは全国的に評価されてきた。だが、運営を担うNPO法人「四季の学校・谷口」の会員16人の高齢化が進み、20年を節目に活動に終止符を打った。
 最後の活動には仙台市や山形県内から27人が参加し、1泊2日でスキーやかまくら作りなどを楽しんだ。11日夜は「謝恩会」と題した交流会が同校であり、そば店自慢の「そば餃子(ぎょうざ)」やつきたての餅、鶏肉と豚肉、すき焼きの3種類の鍋などを前に、思い出話に花を咲かせた。12日は参加者に卒業証書が渡された。
 開校2年目から参加する会社役員の桜井真理子さん(59)=仙台市青葉区=は「農業体験はもちろん、地元の人とのつながりが魅力だった」と閉校を惜しんだ。
 分校の卒業生で、四季の学校を「校長」として引っ張ってきたNPO法人の理事長庄司博司さん(70)は「いい思い出が多い分校を大事にしたいと始めた『四季の学校・谷口』。全国から視察が来るほどになった」と歩みを振り返る。
 活動の出発点は、「懐かしい木造の分校校舎を残したい」という思いだった。
 学校近くに住む人々は97年、地元と都市の住民が体験交流する学びの場「四季の学校」と、そば店「谷口がっこそば」を始めた。四季の学校は春夏秋冬に1泊2日ずつ開催。仙台市や首都圏からの参加者が学校に泊まり、野菜栽培やそば打ち体験など山里や田舎暮らしを体感した。
 廃校を活用した活動は、地域づくりの手本として注目を集め、日本農業賞「食の架け橋の部」優秀賞、農林水産祭「豊かなむらづくり部門」農林水産大臣賞など数々の表彰を受けた。
 庄司さんは「多くの支えで20年も続けることができ、感謝している」と、やり切った表情で語った。


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2017年02月14日火曜日


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