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<震災6年>宅地に移住誘致 子育て世代照準

地域での子育て支援を考えたワークショップ=5日、いわき市の豊間公民館
区画整理事業が進む豊間地区。右奥の岬の上に塩屋埼灯台が立つ=いわき市

 東日本大震災の津波で大きな被害を受け、復興土地区画整理事業が進む福島県いわき市平の豊間地区が、子育て世帯を照準に宅地と移住希望者のマッチング事業を始める。349区画のうち、住宅が再建されるのは現時点で50区画ほどとみられるため。「こどもらが日本一めんこく育つまち」をうたい文句に、地域ぐるみで若い世代を迎え入れる。

<18年3月完了へ>
 豊間地区は塩屋埼灯台の南に位置し、美しい海岸が広がる。震災で高さ約8.6メートルの津波に襲われ、90人が犠牲になった。行政区によると、約620戸のうち約400戸が損壊した。
 区画整理は55.9ヘクタールが対象で、うち19ヘクタールに349区画を整備。年度内に半数近くを引き渡し、2018年3月の完了を見込む。
 マッチングは行政区と住民組織「ふるさと豊間復興協議会」が主体となる。地域維持への危機感が背景にあり、区長で協議会長の遠藤守俊さん(72)は「このままでは限界集落になりかねない」と語る。
 市が15年秋、一般地権者215世帯(242区画)に実施した調査では、回答者の43.0%が住宅再建の意向を示した。約100区画に相当するが、協議会などが昨年春から秋にかけて地権者らに聞いた結果、50戸程度になりそうという。

<格段に安い地価>
 豊間地区の復興を支援するNPO法人「美しい街住まい倶楽部(くらぶ)」の佐藤俊一理事長は「いわきでは震災後、宅地不足で地価が高騰し、若い世代の住宅取得が難しくなっている。豊間の地価は中心部より格段に安く、マッチングで二つの大きな課題が解決できる」と説明。150世帯の受け入れを目標に掲げる。
 計画によると、活用しない区画と移住希望者をそれぞれ登録し、結び付ける。若い世帯にはコストの低い住宅プランを提案。定期借地権の設定などで、年収400万円でもマイホーム建築を可能にする。
 地域は見守り活動などソフト面で子育てを支える。今月上旬には「子育て世帯のために何ができるか」をテーマにワークショップを開き、住民約30人が意見を交わした。先進地視察などを重ね、協議会内に子育て応援組織も設ける方針だ。
 25、26の両日には初の現地説明会を開き、移住希望者の登録を受け付ける。遠藤さんは「震災後に小学校の児童数は3分の1近くに減り、早く手を打つ必要がある。子育てをキーワードに若い世代を呼び込み、豊間の町を取り戻したい」と話す。


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2017年02月14日火曜日


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