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<タリウム事件>致死率 事前に計算

名古屋大の元女子学生の初公判で、傍聴券抽選のため名古屋地裁前に並ぶ人たち=1月16日

 名古屋市で知人の高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた元名古屋大女子学生(21)=仙台市出身、事件当時未成年=の裁判員裁判第11回公判が14日、名古屋地裁で開かれた。劇物混入事件について、元名大生は被害者が死亡する確率を事前に計算した上で劇物を投与したことを明らかにした。

 供述によると、元名大生は事件前、硫酸タリウムの投与量と致死率の相関関係を文献でリサーチ。グラフはS字曲線を描き、致死率は一定の投与量で頭打ちになることを理解していた。
 元名大生は、2012年5月27日に0.5グラムを投与した被害女性(21)の致死率を「20%」、翌28日に0.8グラムを盛った被害男性(20)は「30〜40%」と事前に個別に算出。男性には同7月19日に0.4グラムを再投与し、致死率を「50%」に引き上げたという。
 3回の投与は全て「目分量だった」と説明。女性への実際の投与量は0.8グラムだった。同5月27日の事件後に耳かきを買い、「タリウムの粉末を何度もすくって感覚を鍛えていた」と、男性への投与前に予行練習していたことも示唆した。
 致死率の想定はタリウム購入時、既にしていたことを認める一方、投与時の認識は「覚えていない」と語った。検察側は、元名大生が逮捕後の調べに「投与量と致死率は何度も計算した。2人が一定確率で死亡すると思い、投与したのは間違いない」と供述していたことを明かした。
 元名大生は中学1年の時、父親から毒キノコの話を聞き、毒劇物に興味を持った。「理由は分からないが、すごくひかれた」と、種類や致死量を調べ始めた。後に地下鉄サリン事件や仙台市の筋弛緩(しかん)剤点滴事件を知り、化学薬品を使った犯罪への関心を深めていったという。


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2017年02月15日水曜日


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