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<震災6年>1000人の教訓後世に 調査奮闘

宮城県女川町で被災した千葉さん(左)の体験を聞き取る宮城さん=6日、石巻市沢田のバイパス仮設住宅

 東日本大震災で被災した1000人の証言を集めようと、宮城県多賀城市のアマチュア写真家宮城武雄さん(74)が宮城県の沿岸地域で聞き取り調査をしている。これまで県内の350人余りが協力した。震災発生から間もなく丸6年となる中、災害から命を守る使命を胸に、たった一人で奮闘する。
 「津波が来るまでの約30分間、高台から戻ってしまった人は何人もいた」。宮城県女川町のJR女川駅近くにあった自宅を震災で失った千葉信子さん(79)は明かす。
 女川町民が身を寄せる宮城県石巻市内の仮設住宅で今月6日、宮城さんは耳を傾けた。
 調査を始めたのは震災5年を迎えた昨年3月。震災時、津波から逃げながら夢中で撮影した写真記録集を2012年に自費出版したが、「災害から命を守る教訓を後世に残すのが震災を経験した者の使命」と、今回の調査に乗り出した。
 聞き取りは浸水区域、人口、犠牲者数といった各自治体の被災データを基に対象エリアを決めて実施。身分証を示し、飛び込みで仮設住宅などを訪ねる。
 同県山元町を皮切りに石巻市の約100人、東松島市の約70人などから当時の様子を聞いた。「話し相手がいない」とこぼす高齢者もいて、聞き取りは長時間に及ぶこともある。
 「ため込んだ思いを吐き出せずにいる人は少なくない」。昨年11月まで民生・児童委員を務めた宮城さんは、時が経過しても悲しみが癒えない被災した人を思いやる。
 調査は、震災7年となる18年3月までに岩手、福島両県を含めて1000人を目指す。どこまでできるか不安もあるというが、「結果はいずれ記録集にまとめたい」と話す。


2017年02月15日水曜日


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