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<震災6年>思い出取りに来て 展示3月終了

3月20日で常設展示が終了する「思い出の品展示場」で作業する鈴木さん
3月20日で常設展示が終了する「思い出の品展示場」で作業する鈴木さん=14日午後0時10分ごろ、気仙沼市長磯船原の気仙沼復興協会

 宮城県気仙沼市は東日本大震災で被災した写真などを常設展示し、持ち主に返却する事業を3月20日で終了することを決めた。財源だった国の緊急雇用創出事業が終わり、震災から6年で一区切りを付ける。事業を委託されている一般社団法人気仙沼復興協会は「一つでも家族の手元に返したい」と来場を呼び掛けている。
 「思い出の品展示場」は同市長磯船原の協会の事務所に常設し、現在は写真11万5000枚、位牌(いはい)やトロフィーなど物品1780点が所狭しと並ぶ。写真はデータベース化され、パソコンで検索できる。
 事業は2011年6月に唐桑体育館でスタート。写真約100万枚、物品約4000点をボランティアとともに洗浄して場所を移しながら展示した。仮設住宅や商業施設への出張閲覧会も展開し、これまでに7割ほどを返した。
 11年10月から担当する協会職員の鈴木貴志さん(45)が心に残るのは、捜しにきた人々の姿。「夢で枕元におじいさんが立った」という日、地域紙掲載の協会保管写真コーナーで当人の写真を見つけた女性もいた。うれし涙が多い一方、何度訪れても見つからず、肩を落とす姿に悲しみがこみあげることもあった。
 来場者は年々減るが、16年度も既に写真約4500枚を返却した。鈴木さんは「仮設住宅から災害公営住宅や再建した家に移り、『やっと見に来られた』という人もいる。もう少し続けたかった」と語る。
 市は今後、旧小原木中に展示物を保管し、危機管理課で写真データを閲覧してもらって返却する方針。展示会の不定期開催も検討する。
 気仙沼復興協会の千葉貴弘事務局長(42)は「復興半ばでやめることに歯がゆさもある。協会を存続させて、いつかまた携わりたい」と話す。展示場は午前9時〜午後4時半、水曜定休。19、26日は午前10時〜午後4時にイオン気仙沼店で展示する。連絡先は協会0226(27)3882。


2017年02月16日木曜日


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