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<震災6年>被災女性の食堂 3月閉店

3月で店を閉じるげんちゃんハウス。地場産品の販売や弁当の宅配も行っている

 東日本大震災で被災した宮城県東松島市宮戸島で、津波で民宿を失った女性らが切り盛りする食堂「げんちゃんハウス」が3月26日に閉店することになった。島の復興のシンボルとして住民や観光客らに親しまれたが、客の減少などでオープンから4年4カ月で店を畳む。
 ハウスは約40平方メートルで最大12人が食事を楽しめる。宮戸産カキを使ったラーメンや牛すじを煮込んだカレーなど約15種類のメニューを提供している。
 3人の女性スタッフらが調理し客をもてなす。民宿のおかみだった小峰千栄さん(67)は「民宿再建は断念したが、ここでは笑顔でいられる。最高の褒め言葉はお客さんの『おいしい』という一言」と語る。
 ハウスは2012年11月、被災した奥松島縄文村歴史資料館の施設を改修して開店。宮戸市民センターが運営主体となり、500円のしょうゆラーメンなどでスタート、初日の売り上げは約3000円だった。
 センターの奥田邦行所長(60)らが四季折々の食材を生かしたメニューを考案し、食堂は次第に住民や震災ボランティア、工事関係者らの憩いの場となった。
 だが、周辺の復興が進むにつれ客が減少。売り上げは最盛期で年間約750万円に達したが、黒字を維持できなくなった。住民でつくる宮戸コミュニティ推進協議会は1月下旬、閉店を承認した。
 今月中旬に旅行で宮戸を訪れた横浜市の高校3年勝部雄太さん(18)は「ハウスのカキフライ定食はおいしかった。次は嵯峨渓が見たい。食事ができるハウスがなくなるのは困る」と惜しむ。
 奥田所長は「『安くておいしいものを』をコンセプトに力を合わせてきた。閉店は残念」と話す。小峰さんは「最後の日までお客さんに喜んでもらえる料理を提供したい」と言う。
 営業は週4日で火・木曜は午前11時〜午後2時、土・日曜は午前10時〜午後3時。連絡先はセンター0225(86)2177。


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2017年02月16日木曜日


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