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津波で壊滅的被害 医療の拠点ようやく

真新しい診察室で患者を診る伊東所長(左)

 岩手県陸前高田市気仙町今泉地区に15日、済生会陸前高田診療所が開所した。社会福祉法人「済生会」(東京)が運営する。東日本大震災で壊滅的被害を受けた同地区で、社会的インフラが整備されたのは初めて。
 診療所は木造平屋で延べ床面積約320平方メートル。医師の伊東紘一所長(76)と看護師2人が常勤する。診療は内科が月〜土曜日、整形外科が金曜日。
 訪問診療にも力を入れる。4月に応援医師を増員し、在宅患者数を増やす。所内に訪問看護ステーションを整備し、人員を確保して2019年の開始を目指す。
 今泉地区は大規模なかさ上げや高台造成が続き、大半の住民は地区外に分散した。本年度末にようやく災害公営住宅が完成する予定だが、宅地の引き渡しは17〜18年度となる。市は市中心部からの乗り合いタクシー路線を設け、患者の利便性を確保する方針。
 市内の仮設住宅で暮らす元住民の佐々木元子さん(91)は15日、知人の車に乗って訪れた。同地区で家を再建する考えで「年を取っているので、診療所が近いと助かる。地元の人に会えて安心する」と喜ぶ。
 妻が同地区出身の伊東所長は「住民の生活を支援し、地域が元気になるようにしたい」と話す。
 済生会は復興支援の一環で、陸前高田市に診療所の開設を決めた。地盤のかさ上げなどを含め、総事業費は約5億5000万円。15年10月、同市竹駒町の仮設施設で診療を始めた。


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2017年02月16日木曜日


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