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<福島県立博物館>震災6年語る遺物とアート

福島の記憶の痕跡を刷り取った岡部さんのフロッタージュ作品
津波被害を受けた常磐線のレール

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故をテーマにした二つの特集展が会津若松市の福島県立博物館で開かれている。県内の震災資料展と地元で活動した芸術家の作品展で、遺物やアートを通し、発生から丸6年を迎える震災の記憶を伝える。
 資料展「震災遺産展〜6本の年輪」は博物館などが2014年から進める「ふくしま震災遺産保全プロジェクト」で収集した資料などのうち約100点を展示している。
 JR常磐線富岡駅近くにあったレールは昨年11月、JR東日本水戸支社から譲り受けた。枕木に固定されていたが、津波の威力で湾曲したという。
 震災発生時に使われた富岡町災害対策本部のホワイトボードには、町内に立地する東電福島第2原発4号機に関する「原発2F 4号停止」の記述があり、当時の雰囲気を伝える。除染で伐採された飯舘村の綿津見神社にあった樹齢150年のスギなどが並ぶ。
 360度見渡せる仮想現実(VR)技術を用いたタブレットで、津波被災地の状況を疑似体験できるコーナーもある。高橋満主任学芸員は「震災で起きたことは多様。それぞれの資料に物語がある」と話す。
 芸術家の作品展「アートで伝える展」は博物館などが12年から取り組む「はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト」の一環。写真や映像作品など約100点を飾っている。
 美術家岡部昌生さんはチョークでこすって紙に模様を写し取る技法「フロッタージュ」で制作。南相馬市の震災がれきや戦時中に原爆開発のためウランを採掘した工場跡(福島県石川町)の作品は、土地の歴史を凝縮したかのよう。
 華道家片桐功敦(あつのぶ)さんは犠牲者の鎮魂の思いを表現しようと、津波で流された車などに花を生ける活動の写真を展示。写真家本郷毅史さんは川の水源をたどり、原発事故後も変わらない自然の美しさを撮影した。塚本麻衣子学芸員は「震災について考えるきっかけになってほしい」と期待する。
 4月11日まで。入場無料。連絡先は福島県立博物館0242(28)6000。


2017年02月16日木曜日


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