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<タリウム事件>小6時 担任の給食にホウ酸

名古屋大の元女子学生の初公判で、傍聴券抽選のため名古屋地裁前に並ぶ人たち=1月16日

 名古屋市で知人の高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた元名古屋大女子学生(21)=仙台市出身、事件当時未成年=の裁判員裁判第13回公判が16日、名古屋地裁で開かれ、元名大生の母親(50)が生育歴などを証言した。母親は「小学6年の時、担任の給食にホウ酸を入れようとしたことがある」と明らかにした。
 母親によると、ホウ酸は理科の実験で配られた。一緒に集めた友達がホウ酸を紛失して未遂に終わったが、代わりにホチキスの針や消しゴムのかすを入れた。動機は「担任が気にくわないから」と話したという。
 元名大生が中学3年に上がる頃、母親は神戸市の連続児童殺傷事件の話を聞かせ、身を守るよう注意を促そうとした。元名大生は「自分と同年齢なのにすごい」と羨望(せんぼう)の的にし、母親は「正反対の受け止め方をされ、衝撃を受けた」と振り返った。以降、神戸の事件をインターネットで調べたり、関連書籍を購入したりするようになったという。
 高校入学後はおのやナイフなどの凶器を集め始めた。母親名義で薬品を注文し、自慢げに見せてきたこともあった。繰り返し注意しても「(凶器や薬品を)見ていると安心する」などと聞き入れなかったという。
 14年12月、仙台市に帰省した元名大生は「夢か現実か分からないが、人を殺したかもしれない」と告白。母親は、おのやナイフを持ち帰ってきたことを知っていたが「殺人犯は過酷な家庭環境で育った例が多い。経済的に支えられ、学力もあるうちの子は違う」と真に受けなかったという。
 母親は冒頭、「被害者や遺族に計り知れぬ苦しみを与え、親としておわびしたい」と涙声で謝罪。償いを尽くす意向を示した上で、娘への精神医療など必要なケアを求めた。
 母親は何度も元名大生を見詰め、元名大生はじっと前を見たままだった。


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2017年02月17日金曜日


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