宮城のニュース

<杜の都のチャレン人>地域の宝 観光資源に

温かい口調で民話を語る村田さん=仙台市太白区の秋保・里センター

◎民話を通じて秋保の魅力発信 村田真一さん(75)

 生まれ育った仙台市太白区秋保町で民話の伝承、普及に取り組んで10年を超えた。温泉地・秋保の「宣伝マン」を自任し、公演に出向けば、持ち前の笑顔と軽口で観光客らとたちまち打ち解ける。
 会長を務める「秋保語りの会」は第2、4日曜の午前、秋保・里センターで「お話会」を催す。50〜90代のメンバー15人ほどが交代で民話の語り部となり、自身も抑揚たっぷりに披露する。
 「温泉だけじゃなく、自然や歴史、文化が盛り込まれた民話も秋保の財産。名所の背景を知れば旅の好奇心が膨らみます」
 個人や小グループが多様な志向で観光する時代。丁寧な対応に地元ホテル勤務の経験が生かされる。「そこに暮らす人との触れ合いが旅先の印象を左右すると思います。地域の宝に愛着と誇りを持ち楽しむ姿は魅力的に映るはず」
 1500年以上の歴史を持つといわれる秋保温泉。その開湯にまつわる民話「温泉の始まり」から語りだすことが多い。
 <塩を積んだ牛におなごわらしが乗って谷に沈むと、湯気が立ち上り、温泉が湧き出した。塩分があって体に良いと多くの人が訪れるようになったんだど。おなごわらしは湯神の化身だったそうな>
 民話との出合いは、2005年に秋保市民センターであった秋保の民話語り部養成講座。受講生有志が語りの会を結成し、会長に就いた。10年ほど前には民話の舞台となった15カ所を紹介するマップを作り、それぞれの場所に解説板を設置する活動にも取り組んだ。
 幼稚園や小学校、児童館での民話公演も進んで引き受ける。「子どもたちが想像力を育み、事の善しあしを学ぶ機会になるでしょう」。秋に開く「秋保民話まつり」は昨年で11回を数えた。
 埋もれた民話がまだある。掘り起こし、100話を一冊に収めて次代に託す構想を描く。「貴重な口承が消えてしまわないうちに…。待ったなしです」(志)

<むらた・しんいち>41年仙台市太白区生まれ。東北学院大卒。市内の調査会社勤務を経て、秋保温泉のホテルで副支配人などを務めた。好きな民話は磊々(らいらい)峡が舞台の「お粂(くめ)が淵」。趣味は民謡。太白区在住。


関連ページ: 宮城 社会

2017年02月18日土曜日


先頭に戻る