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<震災6年>両陛下の思いに感謝し勤労奉仕

皇居の勤労奉仕に参加した坂本さん(前列左)と「のだ千年の松」のメンバーら=昨年12月、皇居前

 東日本大震災の被災地を幾度となく見舞われた天皇、皇后両陛下に、励まされた東北の被災地の人々は少なくない。津波被害を受けた岩手県野田村の住民有志は感謝の気持ちを自ら伝えようと昨年12月、皇居の勤労奉仕に参加した。勤労奉仕は宮城県出身者の団体が最初で東北とゆかりが深い。震災から丸6年を迎える被災地の人々と両陛下との交流は、脈々と続いている。
 勤労奉仕に参加したのは、野田村で海岸の松林の再生に取り組む住民団体「のだ千年の松」代表の坂本久美子さん(58)ら同村の住民8人。一行は被災者支援団体の協力を得てバスで上京し、12月12〜15日に皇居内の落ち葉掃きを担った。
 同13日に両陛下と面会の機会があり、坂本さんが「岩手から来ました」とあいさつすると、両陛下はいとおしむような表情で「震災はいかがでしたか」と尋ねた。坂本さんは「村の中心部の半分は流失しました。今は元気になり、ご報告に奉仕活動に参加しました」と答えた。
 自宅が全壊し、仮設住宅で夫を亡くした中野左加恵さん(70)は「お父さんの分まで奉仕したいという思いです」と伝えると、皇后さまが中野さんに寄り添って言葉を掛け、天皇陛下は「お元気でいてください」と労をねぎらったという。
 宮内庁によると、皇居での勤労奉仕は1945年12月、宮城県の旧栗原郡から上京した青年団60人が、米軍の空襲を受けた宮殿の清掃を申し出て、がれき処理をしたのが始まり。食糧難の中、駆け付けた東北の若者の行動に皇太子だった陛下も感動されたという。
 震災後、岩手、宮城、福島3県からの奉仕は50団体を超える。被害が大きかった地域から奉仕に訪れたことを伝え、両陛下と直接言葉を交わしたのは初めてとみられる、と宮内庁の担当者。面会時の様子については「戦後の奉仕活動が始まった時のことを陛下も思い出されていたのではないか」と推し量る。
 坂本さんは「世界中の方々の温かい励ましと支援で、震災後、野田村は絶望することなく頑張ってこられた。数々のご厚情への感謝を奉仕活動を通じて伝えたかった」と話した。


2017年02月18日土曜日


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