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<震災6年>福島産輸入規制 徐々に緩和進む

地元産品が並ぶ農産物直売所を視察する海外の食品輸入規制の担当者=2日、郡山市

 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県産食品の輸入規制を緩和する国や地域が徐々に増えている。規制措置を取った54カ国・地域のうち、今年1月までに21カ国が規制を完全撤廃した。ただ、事故前の主要輸出先だった香港や台湾の規制緩和は見通せず、県などは東南アジアへの輸出拡大を模索する。
 農林水産省によると、原発事故後、検査証明書も不要とするなど規制を完全に撤廃した事例は年間2〜5カ国で推移している。16年はインド、クウェート、ネパール、モーリシャス、イランが撤廃した。
 欧州連合(EU)を含む18カ国・地域は、放射性物質の検査証明書などの提出を義務付ける。韓国や中国、香港、台湾など7カ国・地域が輸入停止を継続する。米国など3カ国は日本国内での出荷制限品目を輸入停止としている。
 規制の緩和、撤廃に向け、福島県は国と連携し、県産食品の安全性について情報発信を続ける。今月上旬にはモロッコなど3カ国の規制当局関係者が外務省の招きで来県し、検査機関や直売所を視察した。
 日本政府が作成した検査証明書の提出を義務付けるブルネイの担当者は「いくつもの段階で検査が行われ、国際基準より厳しい数値をクリアしていることを理解した。国に持ち帰り、報告する」と語った。
 原発事故前、コメや果樹を中心に、ほぼ全量を輸出していた香港や台湾の輸入停止が長引き、県や全農県本部は東南アジアに販路を求める。内堀雅雄知事は16年夏、タイなどにトップセールスに赴いた。
 輸出が一時、皆無になったモモの輸出量は同年、30.6トンに回復し、10年の23.9トンを超えた。タイやマレーシアなど3カ国では、日本からの輸出量に占める福島県産モモの割合(市場占有率)は1位になった。
 県県産品振興戦略課の市村尊広課長は「輸出規制の解除に向けて働き掛けを続けるとともに、東南アジアの富裕層をターゲットに市場開拓を目指す」と話す。


2017年02月18日土曜日


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