宮城のニュース

<伊豆沼・内沼>ハス刈り払い効果 水質向上

昨夏行われたハスの刈り払い=2016年7月5日、伊豆沼

 ラムサール条約登録湿地の伊豆沼・内沼(宮城県栗原、登米市)でハスが繁殖しすぎ、夏季は沼の水が極度の低酸素状態になっている問題で、県伊豆沼・内沼環境保全財団が昨年ハスの刈り払いをしたところ、一定の改善効果があったことが分かった。18日に栗原市で開かれた伊豆沼・内沼自然再生協議会(県主催)で同財団が発表した。
 財団によると、伊豆沼・内沼の水面約387ヘクタールのうち、夏季は9割近くに当たる約340ヘクタールをハス群落が覆う。沼の水に空気中の酸素が溶け込みにくくなるなどして、沼底付近の1リットル当たりの溶存酸素量(DO)はほぼゼロとなり、水生生物が生存できない過酷な環境に陥っていた。
 財団は昨年6〜7月、伊豆沼中央部を全長2.8キロ、幅40〜50メートル(計12.8ヘクタール)を刈り払い、ハス群落地と刈り払い区域の沼底付近の水深1.2メートルでDOを測定した。
 DOは、刈り払い後の7月下旬から9月半ばにかけて、群落地で0.8〜2.25ミリグラム、刈り払い区域では1.45〜4ミリグラムで推移。魚の生息に必要なDO(2ミリグラム以上)に達しない時期もあったとはいえ、群落地と刈り払い区域の両地点で生物の生息環境が改善された。
 財団は今年、刈り払う幅を広げてDO調査を実施し、適切な刈り払い規模を見極める。
 伊豆沼・内沼では1970年ごろから沼底に泥が堆積して富栄養状態になり、ハスが急速に繁茂を始めた。ハスが水面を覆って光を遮り、88年に58種類が確認された沼の水生植物は2006年時点で23種類に急減。低酸素のため絶滅危惧種のカラスガイも激減した。
 財団の藤本泰文研究員は「沼全体の環境を保全するためにもハスのコントロールは必要。計画的に刈り払いを実施できるようにしたい」と語る。


関連ページ: 宮城 社会

2017年02月19日日曜日


先頭に戻る