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進まぬマンション耐震化 不具合の感覚乏しく

耐震性能不足を示す赤い欄が並ぶ仙台市青葉区のマンションの精密診断結果

 旧耐震基準で建てられた仙台市内のマンションの多くで改修が滞っている。住民の間に改修の必要性が浸透していないことが背景にある。
 築40年になる青葉区の分譲マンション(鉄筋12階)は2010年に受けた耐震精密診断で、階ごとの耐震性能が11、12階を除いて指標を下回った。1階が壁の少ないピロティであることなどが響いた。「これを見たら改修するのが普通なのだろうが…」。管理組合の男性理事長(80)が報告書を手に苦笑いする。
 知り合いの建築士には「改修費用は最低5000万円」と言われた。大規模修繕の積立金が数千万円あるが、度々水漏れする給排水設備の更新が先決。「耐震性能不足による不具合は目には見えない。改修が必要と言われても、ぴんとこない」と明かす。
 住民の高齢化も進み、全55世帯のうち10世帯が65歳以上の高齢者の1人暮らし。男性理事長は「『建物が崩れて死んでもかまわない』と言われると、話が前に進まない」と諦め顔だ。
 一方、耐震改修に踏み切ったマンションからは効果を実感する声が出ている。
 築36年の宮城野区のエクセレントエイト(鉄筋11階)は13年、市の助成制度を使って耐震改修を施した。1階の柱14本に補強材を巻き、7、8階の壁には耐震スリットと呼ばれる建物の柔軟性を高める隙間を設けた。費用約500万円の半額を市が負担した。
 管理組合の松根成理事長(63)は「地震が起きても実際の震度より揺れを小さく感じる。震度4以上で非常停止するエレベーターもめったに止まらなくなった。建物全体で揺れを吸収しているようだ」と語る。


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2017年02月19日日曜日


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