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<里浜写景>寒風を耐え抜く北限のサル

身を寄せ合って暖を取り、下北半島の厳しい冬を耐え抜くニホンザルの家族
下北半島にある海辺の集落付近に生息する北限のサル。団子状態になって厳しい寒さを乗り切る=1月28日、むつ市脇野沢

 身を切るような冷たい風が海から吹き付ける。青森県むつ市脇野沢の雪深い山あいを進むと、九艘泊(くそうどまり)地区でニホンザルを見つけた。
 同地区を活動範囲として「A87−a群」と呼ばれる集団は55匹ほど。風雪が強まると、家族同士が身を寄せ合い、じっと寒さに耐える。
 「九艘泊の集落に野猿が現れた」。1960年、陸奥湾に面した小さな漁村に群れが姿を見せ、下北半島にニホンザルが生息していることが確認された。ヒト以外の霊長類では最も北で生きる「北限のサル」だ。
 現地で生態を調査するNPO法人ニホンザル・フィールドステーションの松岡史朗さん(62)は「畑を荒らし、住民とトラブルになることも多い。山奥でそっと暮らしてほしい」と願う。
 下北の厳しい冬もあとわずか。サルたちにとっても待ち遠しい春の足音が、間もなく聞こえてくる。(文と写真 写真部・庄子徳通)

[メモ]下北半島のニホンザルは体が一回り大きく、ふさふさした淡い色の毛が特徴。海沿い付近で暮らす群れは3月になると、海岸で貝や海藻も食べる。1970年に国の天然記念物に指定された。現在は半島に約3000匹が生息している。


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2017年02月19日日曜日


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