宮城のニュース

<エコラの日々>みんなげんきで

絵・木下亜梨沙

 もうすぐ3.11。6年目の祈りの日が巡ってきます。
 環境NPOとして活動する私たちですが、あの時、災害のあまりの大きさに、どうしたらいいかすぐには分かりませんでした。
 あちこちの避難所から物資不足の声。普段、もったいない市などで古着を集めていますが、それまでの大災害で支援の古着が集まり過ぎて仕分けもままならず、体育館などに山のように保管されたままになったりしたことを思うと、古着を集めようと呼び掛けることはできませんでした。
 必要なものを必要なところへ−。支援の手が届きにくい小さな避難所や自宅避難している方たちの要望を聞きながら、それに応えるように物資をかき集め、届けました。
 ある避難所で、被災者の方々が支援で届いたタオルで雑巾を縫い始めました。それを支援のお礼として寄付したいと相談されたことをきっかけに、少しでも力になれればと、1枚100円で買い取り、販売する「げんき雑巾プロジェクト」を始めました。
 縫う人も使う人もみんなが「げんき」になれるようにと、「げんき雑巾」と名付けました。
 「縫っている間は何も考えず無心になれる」「手を動かすことで癒やされる」「縫ったお金で孫にお小遣いをあげることができた」と少しずつ参加者も増え、宮城県内の気仙沼市から山元町まで約100人が参加して3年間で2万4600枚を縫い上げました。
 何もない避難所でも誰でも手軽に縫うことができるように、初めは白いタオルを白い糸で縫っていましたが、やがて刺しゅう糸や虹色のキルト用糸などでさまざまな模様が縫い込まれるようになりました。幾何学模様、とりどりの花や魚、季節の行事や風景、子どもたちや笑い合うご夫婦の似顔絵まで。
 「絆」「がんばろう」「ありがとう」「げんき」とメッセージを縫い込んだものもたくさんありました。「げんきに前を向いて歩いていく」力強いメッセージが、タオルなどを提供したり雑巾を購入したりして応援してくださった全国の方々に届いたことでしょう。
 げんき雑巾作りを卒業して自分たちで小物を作る工房を立ち上げたり、ワカメの仕事を再開したり、仮設住宅を出て新しい生活へと歩みを進めていった作り手さんたち。これからも、ずっとげんきで、と願っています。
(ACT53仙台・木下牧子)


2017年02月20日月曜日


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