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<震災6年>名前戻らぬ遺骨 納骨堂に安置

明るい光が入る納骨堂に身元不明の遺骨70柱が安置された

 東日本大震災で犠牲になり、岩手県大槌町が保管していた身元不明の遺骨70柱を安置する納骨堂が完成し、現地で19日、納骨式が行われた。町関係者や遺族ら約70人が出席し、献花と黙とうで冥福を祈った。
 70柱は岩手、宮城、福島の被災3県の市町村で最も多い。一時は最大253柱に上り、町内3カ所の寺が預かっていた。
 納骨堂は、町が高台にある町中央公民館の敷地内に整備した。木造で建築面積は約10平方メートル。震災が発生した時刻の太陽の位置に向けてガラス張りの開口部を設け、陽光が差し込む。工事費は4860万円。
 釜石仏教会の僧侶7人が読経する中、町職員が骨箱を一つずつ運び入れた。平野公三町長は「70人もの方が名前を取り戻せない事実に、津波とその後の火災の被害の甚大さを改めて実感する。震災前に大槌で生きていた人として忘れず、多くの町民に大切に思ってほしい」と述べた。
 大槌河川漁協事務局長の金崎潔さん(78)は、母ヨシさん=当時(93)=の遺体が見つかっていない。墓には母の自宅があった場所の土を入れた。「納骨堂の中にいるかもしれないという希望を持ちたい。親戚や親友も行方不明だ。みんなに手を合わせられる立派な場所ができて良かった」と静かに語った。


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2017年02月20日月曜日


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