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<ILC>世界最高の鏡面加工 加速器参入へ

支援対象に採択された事業について東北経済連合会で説明する赤羽社長=仙台市青葉区

 精密加工のティ・ディ・シー(宮城県利府町)が、超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」をはじめとした加速器関連産業への参入を目指している。金属などの部品をナノメートル(10億分の1メートル)レベルで研磨する世界最高水準の鏡面加工技術を生かし、最先端分野に挑む。
 同社は鏡面加工分野で国内外3000以上の企業、研究機関と取引した実績を持つ。有名なプロジェクト関連も多く、小惑星探査機「はやぶさ2」のサンプル回収容器や、南極の国際プロジェクト「バイセップス3望遠鏡」のミラー部品などの加工を手掛けた。加速器関連では、フランスで進む国際熱核融合実験炉(ITER)計画に試験片を納入している。
 参入を目指すILCでは、電子と陽電子を衝突させるためのビームを発射する「電子銃ユニット」の部品製造を想定する。あらゆる素材や形状に対応してナノレベルの品質を実現する技術を活用し、メンテナンス分野も含めた幅広い可能性を探る。
 同社の取り組みは今月、東北経済連合会の事業化支援組織、東経連ビジネスセンターのマーケティング・成長戦略支援事業に採択された。支援は今年1年間で、センターが同社の技術を応用できる分野の調査、専門家や研究機関に対するニーズ聞き取りを実施。展示会、学会の場などを利用し、営業戦略に沿って他社とのマッチングを図る。
 東北ではILC以外にも、東北放射光施設実現への機運が官民で高まっており、山形大は重粒子線がん治療施設の整備を進める。こうした加速器関連プロジェクトに地元企業が参画することで、産業創出や雇用拡大の効果が期待される。
 赤羽優子社長は「どこにもできないニーズから、オンリーワンの技術開発を実現するのが当社の強み。培った技術を生かし、最先端分野に打って出ることで地域に貢献したい」と話す。


2017年02月21日火曜日


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