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<震災6年>孤児の里親 進む高齢化

「みやぎ里親支援センターけやき」で電話相談に応じるト蔵センター長(手前)ら=仙台市青葉区東照宮1丁目

 東日本大震災で親を亡くした子どもたちを養育する里親の高齢化に懸念が広がっている。両親や一人親を亡くした震災孤児が被災3県で最多の宮城県では、里親の6割が60代以上。里親となった祖父母らからは将来の養育継続に不安を訴える声が関係機関に寄せられている。震災発生から6年となるのを前に、宮城県は1月、仙台市内に里親支援センターを開設。専門スタッフが相談に応じる態勢を整え、対応に乗り出した。
 宮城県などによると、県内の震災孤児は139人。既に成人して自立した子らを除くと、大半が親族の里親の元で生活している。
 県内で子どもを養育する里親は1月末現在、116世帯。うち震災孤児を育てる里親は約3割に当たる32世帯51人いる。年代別の内訳は円グラフの通り。最高齢は79歳の男性だ。
 各児童相談所には、高齢の里親から、思春期を迎えた子との関わり方に関する悩みや、今後も子どもを育てていけるかどうか不安がる声が寄せられている。
 関係者によると、70代の祖父母が小学生を養育しているケースがあるほか、里親自身が健康問題や、収入は年金だけという経済苦を抱える場合もある。高齢を理由に別の里親の元に移った子どももいるという。
 県は、里親支援を強化するため、仙台市青葉区東照宮1丁目に「みやぎ里親支援センターけやき」を開設。県里親会「なごみの会」と、社会福祉法人仙台キリスト教育児院に事業を委託し、1月中旬に業務を始めた。スタッフは非常勤を含めて4人。電話や面接などで相談に応じ、助言する。
 里親登録者の新規開拓も課題になる。県は研修や審査などの手続きがある里親制度の説明会を県内各地で開き、周知を図る考えだ。
 県内では、震災以外に虐待などで社会的養護が必要な子どもの数も増加傾向にある。県子育て支援課は「センターの活動で里親登録を推進し、子どもたちの安定した養育環境を確保したい」と説明する。
 センター長を務める県里親会のト蔵(ぼくら)康行会長(61)は「里親への支援は子どもへの支援でもある。現在の里親や、これから里親になろうとする人の相談に応じ、安心感を持ってもらえるようサポートする必要がある」と強調する。
 センターの業務時間は、土曜を除く毎日午前10時〜午後6時。連絡先は022(718)1031。


2017年02月21日火曜日


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